本年11月に国税庁は令和元事務年度(令和元年7月~令和2年6月)所得税及び消費税調査等の状況を公表しました。
新型コロナウイルス感染症の影響もあり調査等件数は減少しましたが、1件当たりの追徴税額は増加しました。所得税等の調査状況によると実地調査による追徴税額は、992 億円(前事務年度 961 億円)であり、そのうち実地調査(特別・一般)によるものは 947 億円(同 903 億円)、着眼調査によるものは 45 億円(同 59 億円)となっています。
有価証券・不動産等の大口所有者、経常的な所得が特に高額な個人などの、所謂、「富裕層」に対して、資産運用の多様化・国際化が進んでいることを念頭に積極的に調査を実施しています。
特に、海外投資等を行っている「富裕層」に対しては、1件当たりの追徴税額は 1,571 万円(同 914 万円)で、所得税の実地調査(特別・一般)全体の 222 万円に比べ7.1 倍と特に高額となっています。
税務当局は、経済社会の国際化に適切に対応していくため、有効な資料情報の収集に努めているとともに、特に海外投資を行っている個人や海外資産を保有している個人などに対して、国外送金等調書、国外財産調書、租税条約等に基づく情報交換制度のほか、CRS情報(共通報告基準に基づく非居住者金融口座情報)などを効果的に活用し、積極的に調査を実施しています。
(国税庁HPから一部抜粋)