Q:財産分けの際の不動産の評価はどの評価額を用いますか
2023.01.18更新
Q:財産分けの際の不動産の評価はどの評価額を用いますか?
A:価額の基準としては、固定資産税評価額、相続税評価額、不動産仲介業者による査定額、不動産鑑定評価額、など様々な価格の評価基準があります。
それがゆえに相続人間で意見が割れてしまうことが非常に多いのです。原因は、不動産を相続しない相続人からすると不動産の評価は高い方が良く、不動産を相続する相続人からすれば、不動産評価は低い方が良いからです。
例えば、2人で対等な割合で相続財産を相続する方針となった場合、不動産を相続しない相続人は不動産評価が高くなればなるほど、自身が相続する他の財産が増加します。逆に不動産を相続する相続人は不動産評価が低くなるほど、自身が相続する他の財産が増加します。
もちろん、遺産分割の際に基本的に相続人の全員が合意すれば、どの様な評価基準を基にしても差支えはありませんし、分割の内容や取得割合を自由に定めることができます。しかし、相続人間で考え方が違う場合には、上記のとおり評価の方法で紛争になるケースが少なくありません。
不動産評価は相続する財産の価額に大きな影響を与えることから、不動産の評価方法で話し合いがもつれると紛争が長期化し、相続人間の気持ちにわだかまりを残すことになってしまいます。これを回避するには、被相続人が生きているうちから相続人間の意思確認を図り、ある程度、対策をしておく必要があります。