相続は争続?
2016.11.18更新
「家事手続案内」とは、家庭裁判所が家庭内や親族間における問題を解決するために家庭裁判所の手続きを利用できるかどうか、利用できる場合にはどの様な申立てをすればよいかなどについて、説明や案内をする制度です。「家庭裁判所における相続関係の家事手続案内件数」は、わが国の相続問題の件数ともいえますが、平成15年の10万7698件から平成24年には17万4494件と約6割大幅に増加しています。
相続が生じた際に被相続人の遺言による指定がない場合、共同相続人全員による遺産分割についての協議(協議分割)が行われますが、これがまとまらない場合は家庭裁判所において、家事審判官(裁判官)と民間から選ばれた調停委員とで斡旋し、話合いによる解決(調停分割)を目指します。さらに、調停が成立しなかった場合、審判手続に移ります。審判では、裁判官が遺産に属する物または権利の種類および性質その他一切の事情を考慮して、結論を示すことになります(審判分割)。
このように、遺産分割をめぐる争いが家庭裁判所に持ち込まれた「遺産分割事件(家事調停・審判)の新受件数」は、平成15年の1万1556件から、平成24年には1万5286件と、約3割も増加しています。(出所:裁判所「司法統計年報」)