2022.09.26更新

Q:国民年金や厚生年金の停止手続きを教えてください

 

A:国民年金や厚生年金の受給者が死亡した場合、次のとおり年金受給の停止手続きをしなければなりません。なお、手続きは年金事務所または年金相談センターでできます。

 ・国民年金 死亡後14日以内
 ・厚生年金 死亡後10日以内

 

手続きは、最初に「年金受給者死亡届(報告書)」を提出することとなります。ただし、生前にマイナンバー登録が済んでいる場合は、死亡届の提出を省略することができます。

さらに、ほかに年金証書、死亡診断書か埋葬許可書、除籍謄本、故人と年金請求者の住民票の写し(所帯全員)などが必要となります。

 

また、年金の支給は2か月ごとになされますから、故人が受け取るべき年金を受け取らないまま亡くなっている場合もあります。

その場合は、「未支給年金・未支給給付請求書」を提出して支給を受けることができます。

ただし、この場合には受給順位があって、配偶者→子→父母→孫→祖父母→兄弟姉妹→その他(3親等以内の親族)の順となっています。

なお、上記の未支給年金は相続財産にはなりません。(平成7年11月7日最高裁判決)

2022.08.30更新

Q:分割協議がまとまらず納税資金の手当てができません

相続人全員の話し合いがまとまらず、未分割のままで申告することとなりました。相続財産が多いので、納税額が相当な金額になりそうです。ただし、相続財産の金融機関の預金口座が凍結されているため、納税資金がない状態です。

 

A:金融機関(銀行等)は、相続開始の情報を得た場合に、故人名義の口座(預貯金等)を凍結して、入出金ができないようにしてしまいます。金融機関が口座を凍結する理由は、故人の預貯金が「遺産」の対象となるからです。

 

特に預貯金は銀行のATM機で親族が故人のキャッシュカードを持参して暗証番号さえ入力すれば、本人確認なしで預金者本人でなくても容易に引き出すことができます。そのため、親族が勝手に預金の引き出しを行い自分のものとした場合、後日、他の相続人とのトラブルとなることも想定されます。

 

銀行としては、安易に故人の預貯金が引き出されてしまうと、他の相続人から抗議を受けることがあり、相続争いに巻き込まれないために故人の口座を凍結することになります。

 

しかし、故人の口座が凍結されると相続開始後の葬儀費用の支払いや相続税の納付に必要な場合に、その資金に困るといったケースがあります。そのため、2019年7月1日の民法改正で各々の相続人が金融機関ごとに150万円を上限として、預貯金残高の3分の1までの範疇で仮払いを請求する制度が施行されました。これにより、仮に、金融機関3ヶ所の利用で預貯金残高が充足していれば最高450万円まで引き出せることとなります。

 

これでも当面の資金が足りない場合は、各金融機関の相続手続きの案内に従って故人の預貯金の解約や名義変更を進めることとなります。

2022.08.23更新

Q:相続税の障害者控除について教えてください

 

A:相続税の障害者控除とは、相続人の中に85歳未満の障害者がいる場合に相続税の額から一定の金額を差し引くことができる制度です。中には、障害者控除の対象となった相続人が納めるべき相続税がゼロになることもあります。

この点では、相続税の基礎控除は相続財産の評価額から控除されますが、障害者控除は税額から控除されますので、相続税の軽減効果としては大変大きいものとなります。

 

◎ 障害者控除が受けられるのは次の全てに該当する人です。


(1) 相続や遺贈で財産を取得したときに日本国内に住所がある人(一時居住者で、かつ、被相続人が外国人被相続人または、非居住被相続人である場合を除きます)


(2) 相続や遺贈で財産を取得したときに障害者である人


(3) 相続や遺贈で財産を取得した人が法定相続人(相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合における相続人)であること

 

◎ 障害者控除額の計算方法は次のとおりです。


障害者控除の額は、その障害者が満85歳になるまでの年数1年(年数の計算に当たり、1年未満の期間があるときは切り上げて1年として計算します。)につき10万円で計算した額です。

なお、この場合、特別障害者の場合は1年につき20万円となります。

 

 また、障害者控除額が、その障害者本人の相続税額より大きいため控除額の全額が引き切れないことがあります。この場合は、その引き切れない部分の金額をその障害者の扶養義務者(注)の相続税額から差し引くことができます。

(注)扶養義務者とは、配偶者、直系血族および兄弟姉妹の他、3親等内の親族のうち一定の者をいいます。

なお、その障害者が今回の相続以前においても障害者控除を受けているときは、控除額が制限されることがあります。                  (出所:国税庁HP)

 

具体的な障害者控除額の計算式は以下のとおりです。


① 一般障害者の場合 (85歳-相続開始時点の年齢)×10万円


② 特別障害者の場合 (85歳-相続開始時点の年齢)×20万円

2022.08.15更新

Q生涯独身だった妹が亡くなり、相続人が私(弟)と妹2人の場合に、相続手続きに必要な戸籍書類を私が兄妹の分を請求することはできますか。

 

Aあなたは民法上亡くなった方の法定相続人として財産を相続する権利があります。ですから、相続手続きに必要な戸籍書類はあなたでも請求することが可能です。

ただし、請求するためには、戸籍書類が必要であることの正当な理由を明確にする必要があります。

このことは、戸籍書類を請求できる者について、以下のように定められています。(戸籍法第10条・第10条の2)

 

1.戸籍に記載されている本人又はその配偶者、その直系尊属(父母、祖父母等)若しくは直系卑属(子、孫等)
2.自己の権利の行使又は義務の履行のために必要な方
3.国又は地方公共団体の機関に提出する必要がある方
4.その他の戸籍に記載された事項を利用する正当な理由がある方

 

なお、通常、傍系親族(兄弟姉妹、叔父、叔母、甥、姪など)の戸籍書類は請求できないのですが、次の全ての要件を満たしている場合には、例外的に請求が認められます。


①相続手続きのために必要であって「自己の権利行使又は義務の履行のために必要な方」に該当すること
②相続人であることがわかる戸籍書類や本人確認書類を提示すること
③戸籍書類が必要な理由や使用目的を明確にすること

 

このように、兄弟姉妹が相続人となるときは、集める戸籍書類も多くなり大変な手間がかかるケースもあります。ご自身で戸籍書類を請求することが難しい場合は、弁護士等(弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士又は行政書士)の専門家が代わって交付請求してくれますので、お早めに専門家にご相談されることをおすすめします。

2022.08.04更新

Q:相続税の土地の評価で「利用価値が著しく低下している宅地」とは何ですか。

 

A: 利用価値が著しく低下している宅地とは、付近にある他の宅地の利用状況と比較して、著しく利用価値が低下していると認められる部分のある宅地をいいます。

 

そして、その宅地の著しく利用価値が低下していると認められる部分の面積に対応する価額に10%を乗じて計算した金額を控除した価額(以下、「10%評価減」といいます。)によって評価します。

 

国税庁では課税実務上、利用価値の著しい低下が生じる例を次のとおり示しています。

 

①道路より高い位置にある宅地又は低い位置にある宅地で、その付近にある宅地に比べて著しく高低差のあるもの


②地盤に甚だしい凹凸のある宅地


③震動の甚だしい宅地


④上記①~③までの宅地以外で、騒音、日照障害(建築基準法第56条の2に定める日照時間を超える時間の日照障害のあるもの)、臭気、忌み等により、その取引金額に影響を受けると認められるもの

 

ただし、上記①~④の例について、既に、路線価が利用価値の著しく低下している状況を考慮して付されている場合には、10%評価減は斟酌されませんので注意が必要です。

 

また、過去の裁決事例では、例えば、新幹線の高架線の敷地に隣接し、かつ、元墓地である土地の評価で、震動及び騒音の他、忌み、日照及び眺望への各影響を考慮して合計30%の評価減が認められたケースも存在します。

2022.07.26更新

Q:小規模宅地等の特例の適用をすれば、基礎控除以下でしたので相続税の申告は必要ないと思い込み、遺産分割協議も行っていませんでした。

 

既に、相続税の申告期限は過ぎていますが、これから遺産分割をして小規模宅地等の特例の適用を受けて申告をすることはできるのでしょうか。

 

 

A:小規模宅地等の特例の適用を受けるためには、申告期限までに共同相続人又は包括受遺者により遺産分割が行われていなければなりません。

 

申告期限が過ぎていますと、このままでは適用は受けられないこととなります。

 

ただし、次のとおり特例の適用を受けることができる場合があります。

 

①申告期限後に提出する申告書に申告期限後3年以内の分割見込書」を添付しておき、相続税の申告期限から3年以内に分割された場合

(租税特別措置法第69条の4第6項)

 

②上記①の手続きをして、なお、相続税の申告期限の翌日から3年を経過する日において相続等に関する訴えが提起されているなど、一定のやむを得ない事情がある場合には、申告期限後3年を経過する日の翌日から2か月を経過する日までに、「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」を提出し、その申請につき所轄税務署長の承認を受けた場合には、判決の確定の日などの日の翌日から4か月以内に分割された場合

 

なお、適用を受ける場合は、上記①・②ともに分割が行われた日の翌日から4か月以内までに「更正の請求」を行う必要があります。

2022.07.25更新

Q:共同相続人の住まいが遠隔地でバラバラです。遺産分割協議の方法を教えて下さい。

 

A:遺産分割協議の行い方に特段の制限はありません。要は相続人全員の意思が一致して遺産分割協議が成立すれば良いのです。

 

ですから、全員が一箇所に集まって相談をしなくても、例えば、①1枚の遺産分割協議書を各相続人に順番に送付して署名・捺印してもらう方法や、

 

②同じ内容の遺産分割協議書を各相続人分作成してそれぞれに送付し、各人に署名・捺印してもらうやり方などがあります。

 

元来、法的には書面を作成する必要は無いのですが、相続税の申告で特例を受ける場合とか不動産登記や預貯金の名義の書換えなどの手続きに産分割協議書が必となります。また、後々「言った、言わない」の争いになることを防ぐためにも、一般的には遺産分割協議書を作成します。

 

一方で、遺産分割協議が成立しなかった場合は、家庭裁判所に遺産分割の調停を申し立てることができます。調停が不成立となったときは、審判手続きに移行して「相続」ではなく、所謂、「争続」となってしまうケースも少なくありません。

2022.07.14更新

Q:次のように売却する土地と家屋の所有者が異なっていた場合には、居住用資産を売却した場合の3,000万円控除(以下、「特例」といいます)は適用できるのでしょうか。

 

Q1 土地は「父親」所有で、家屋は「父親」と「私」が持分2分の1ずつ所有していて、この家屋に「父親」だけが居住していた場合。

 

A:「お父さん」が所有する土地は、「お父さん」がその全部を居住の用に供している家屋の敷地です。したがって、たとえ家屋が共有であったとしても、その土地の全部を居住用家屋の敷地として特例の適用をしても差し支えありません。なお、「あなた」は家屋を居住の用に供していませんので、家屋の持分2分の1について特例の適用はありません。

 

Q2 土地は「父親」と「私」が持分2分の1ずつ所有で、家屋は「父親」所有で、この家屋に「父親」だけが居住していた場合。

 

A:「お父さん」が所有する土地の持分2分の1は、「お父さん」がその全部を居住の用に供している家屋の敷地です。したがって、「お父さん」が所有する土地の持分2分の1を居住用家屋の敷地として特例の適用をしても差し支えありません。ただし、「あなた」が所有する土地の持分2分の1は「あなた」の居住の用に供していませんので、特例の適用はありません。

 

なお、上記「Q2」について、仮に「お父さん」と「あなた」が同居していた場合には、家屋を所有していない「あなた」に特例適用の余地が生じます。それは、「お父さん」が特例適用枠3,000万円を適用して、なお、3,000万円に満たない金額に限って「あなた」の特例適用が認められます。

 

詳しくは、私ども税理士にお尋ねください。

2022.06.20更新

Q:遺贈と死因贈与の違いを教えて下さい

 

A:遺贈は、遺言による贈与のことをいい、死因贈与とは贈与する人の死亡を条件に、贈与を受ける人との合意で行われる契約のことをいいます。

 

その主な違いは以下のとおりです。


1. 遺言は財産を渡す人(被相続人)だけの一方的な意思表示により行われ、受取る人の承諾は必要がありません。これに対し、死因贈与は財産を渡す人と受取る人との合意が必要で、受取る人の承諾を得なければ死因贈与契約は成立しません。


2. 遺言は民法でその方式は定められており、方式によらない遺言は無効になってしまいます。これに対し、死因贈与は方式に定めはなく、口約束でも可能で必ずしも書面で行わなければならない訳ではありません。とはいえ、口約束の場合、故人の真意と認められない可能性があります。また、死亡後には生前の口約束の証明は困難になってしまいます。後からトラブルが起きないように公正証書などの文書にしておくことが肝要です。


3. 書き直しや撤回は自由ですが、遺言書と死因贈与契約書の両方が発見された場合には、日付の新しい方が優先されることとなります。


4. 他の相続人の遺留分を侵害する遺言や死因贈与は、いずれも遺留分侵害額請求の対象となります。


5. 死因贈与により、土地や建物を移転すると不動産登記にかかる登録免許税が遺贈と比べて高くなる場合があります。

 

また、上記の他、遺贈と死因贈与の大きな違いとして、死因贈与には負担付贈与というものがあります。これは贈与を受ける人が贈与を受ける代わりに、贈与した人の生活の面倒を見るなどの義務を負うという贈与形態です。なお、負担付贈与では、贈与をした人が勝手に契約を破棄することは認められていませんので注意が必要です。

2022.06.13更新

Q:贈与税の配偶者控除の特例について詳しく教えてください。

 

A:「贈与税の配偶者控除」は「おしどり贈与」とも呼ばれ、「居住用不動産を贈与又は取得資金を贈与」したときに、夫婦間に認められている贈与税の優遇制度で、2,000万円までなら贈与税を免除するという制度です。贈与税には年間110万円の基礎控除がありますから、合計で2,110万円までが非課税となります。

 

特例を受けるための要件は、次の3点です。

 

(1)夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われたこと。


(2)配偶者から贈与された財産は、 居住用不動産であるか居住用不動産を取得するための金銭であること。


(3)贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与により取得した居住用不動産又は贈与を受けた金銭で取得した居住用不動産に、贈与を受けた者が現実に住んでおり、その後も引き続き住む見込みであること。

 

(注1「居住用不動産」とは、専ら居住の用に供する土地もしくは土地の上に存する権利または家屋で国内にあるものをいいます。
(注2)配偶者控除は同じ配偶者からの贈与については一生に一度しか適用を受けることができません。             (国税庁)

 

 

例えば、夫名義のマイホームの一部を妻に贈与(おしどり贈与)した後に、夫が亡くなった場合、その贈与部分は相続財産にはなりませんので、相続税が軽減されるメリットがあります。

一般的に相続開始前3年以内に行われた贈与については、相続財産として相続税の対象になりますが、おしどり贈与の場合には相続財産になりません。また、マイホームを売却して利益が出たときに、3,000万円控除される制度がありますが、夫婦がそれぞれ活用できると6,000万円が利益から差し引かれます。

なお、注意が必要なことは、不動産取得税や登録免許税がかかりますし、毎年、固定資産税や都市計画税の請求がくることになります。

 


贈与税の配偶者控除の特例(相法21条の6)チェックシート

(参考:国税庁)

1 贈与者(財産をあげた方)は、あなたの配偶者ですか。
2 婚姻の届出をした日から贈与を受けた日までの期間は20年以上ですか。
3 過去に、この特例を受けたことがありますか。
4 贈与を受けた財産は不動産(土地等・建物)又は金銭ですか。
5【不動産の贈与を受けた場合】その不動産は国内にある不動産ですか。
  【金銭の贈与を受けた場合】その金銭を翌年3月15日までに国内にある居住用不動産の取得に充てますか
6  その不動産は専ら居住の用に供しますか。
7  その不動産に現在居住しているか、または翌年3月15日までに居住する予定ですか。
8  今後、ひき続きその不動産に居住する予定ですか。

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