2023.01.18更新

Q:財産分けの際の不動産の評価はどの評価額を用いますか?

 

A:価額の基準としては、固定資産税評価額相続税評価額不動産仲介業者による査定額不動産鑑定評価額、など様々な価格の評価基準があります。

それがゆえに相続人間で意見が割れてしまうことが非常に多いのです。原因は、不動産を相続しない相続人からすると不動産の評価は高い方が良く、不動産を相続する相続人からすれば、不動産評価は低い方が良いからです。

 

例えば、2人で対等な割合で相続財産を相続する方針となった場合、不動産を相続しない相続人は不動産評価が高くなればなるほど、自身が相続する他の財産が増加します。逆に不動産を相続する相続人は不動産評価が低くなるほど、自身が相続する他の財産が増加します。

 

もちろん、遺産分割の際に基本的に相続人の全員が合意すれば、どの様な評価基準を基にしても差支えはありませんし、分割の内容や取得割合を自由に定めることができます。しかし、相続人間で考え方が違う場合には、上記のとおり評価の方法で紛争になるケースが少なくありません。

 

不動産評価は相続する財産の価額に大きな影響を与えることから、不動産の評価方法で話し合いがもつれると紛争が長期化し、相続人間の気持ちにわだかまりを残すことになってしまいます。これを回避するには、被相続人が生きているうちから相続人間の意思確認を図り、ある程度、対策をしておく必要があります。

2022.12.16更新

Q:家庭の事情により協議離婚することとなりました。現在、居住している自宅の取扱いについての質問です。自宅については、妻に財産分与することになりました。その場合の課税関係について教えて下さい。

 

 

A:お尋ねの自宅の財産分与は、民法768条の規定により妻から「財産分与請求権」の主張があったことにより資産の移転をする行為となります。この場合、税務上においては、所得税基本通達33-1の4の規定により、その分与をした時において、その時の価額によりその資産を譲渡したものと取り扱われます。

 

したがって、その分与時の時価で譲渡したものとして譲渡所得の計算を行うこととなります。譲渡所得の計算においては、通常、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除及び軽減税率の特例は、配偶者等の親族への譲渡については特例の適用は受けることができないことになっています。

 

しかし、財産分与による資産の譲渡の場合は、離婚後における譲渡になるため、配偶者の親族への譲渡には該当しないことになり、居住用財産の特例の適用を受けることが可能となります。

 

 

一方、財産分与を受けた配偶者(妻)については、税務上、財産分与請求権(民法768条)に基づく財産の取得であるので贈与により取得した財産には当たらないと解されています。したがって、原則として、財産分与を受けた者に贈与税は課せられないことになります。

 

ただし、その分与については、財産が婚姻中の夫婦の協力によって形成された財産と比較して過大と認められる場合には、その過大な部分に対して経済的利益の贈与があったものとして取り扱われることなりますので注意が必要です。

2022.12.01更新

Q:相続した不動産に「公衆用道路」の土地がありました。「公道」と「私道」の違いを教えてください。

 

A:「公衆用道路」は「公」という字がついているので「公道」と勘違いしやすいですが、必ずしも公共のものとは限りません。法的には不動産登記規則で定義される23種類の地目の内の一つで、所謂、公道・私道の区別で使われるものではありません。

 

例えば、個人の所有である「私道」であっても「公衆用道路」として登記されている道路も多いようです。

 

したがって、まずはその土地の所在を確認し、接する土地と一体となった「私道」なのか、それとも私道のみなのかなどを調べる必要があります。

 

一般的に公道と私道の違いは以下のようになります。


「公道」とは基本的に国や地方公共団体が所有している道路であり、その維持管理などは国や地方公共団体が行います。
「私道」とは単独所有の他に、共有のケースもありますが、その維持管理などは私道の所有者が行い、そのための費用などは所有者の負担となります。

 

特に、私道を共有している場合において、例えば、維持管理を行うための工事などを行う際には、共有者の同意が必要で工事などが簡単にできないこともあるので注意が必要です。
なお、公道でも私道でも「建築基準法上の道路」に該当すれば、その道路に面した土地に建物を新築することができます。

2022.11.04更新

Q:不動産取得税や登録免許税は、相続で不動産を取得した場合でもかかりますか?

 

A:不動産取得税は、不動産を取得した人に貸される地方税(道府県税)です。また、登録免許税は不動産の登記をする際に課税される国税です。通常、不動産の取得や登記をした場合には、これらの税金がかかることとなります。

 

しかし、不動産取得税については、①「相続」や②「包括遺贈」(民法964条)、③「被相続人から相続人に対してされた遺贈」により取得した場合に限っては、かからないこととなっています

 

一方、登録免許税は、不動産の登記に対して課される税金であるため、相続で不動産を取得した場合でも登記されている名義人を変える登記(通称「相続登記」といいます)を行うと、その際に登録免許税を納めることとなります。

 

しかし、相続登記に係る登録免許税については、平成30年度及び令和4年度の税制改正により、次のような免税措置が設けられています。

 

(改正内容)


個人が不動産を相続により取得した場合において、当該個人が当該相続による当該土地の所有権の移転の登記を受ける前に死亡したときは、平成30年4月1日から令和7年3月31日までの間に当該個人を当該土地の所有権の登記名義人とするために受ける登記については、登録免許税を課さない。

2022.10.25更新

Q:被相続人である父が所有する別荘は小規模宅地等の特例の対象となりますか。

 

A:小規模宅地等の特例の対象となる「被相続人等の居住の用に供されていた宅地等」(特定居住用宅地等)の判定は、基本的に被相続人等が、その宅地等の上に存する建物に生活の拠点を置いていたかどうかにより判定されます。

 

具体的には①被相続人の日常生活の状況、②その建物の入居目的、③その建物の構造及び設備の状況、④生活の拠点となるべき他の建物の有無、などの事実関係を総合勘案して判定されることになります。

 

したがって、次のような場合は、たとえ被相続人等がその建物に居住していた事実があったとしても、被相続人等が生活の拠点を置いていた建物とは判定されません。

 

イ 居住の用に供する建物の建築期間中だけの仮住まいである建物
ロ 他に生活の拠点と認められる建物がありながら、小規模宅地等の特例の適用を受けるためのみの目的で一時的に入居した建物
ハ 主として趣味、娯楽又は保養の用に供する目的で所有する建物
                                                      (出所:国税庁Q&Aより)

2022.10.18更新

Q:実姉が亡くなり、私と弟で遺品を整理していたら、実姉が加入していた生命保険証券が見つかりました。

実姉は未婚でしたので、保険金の受取人は既に亡くなっている母になっていました。父もそれ以前に他界しております。

 

この場合には、誰が保険金を受け取ることができるのでしょうか。

 

A:死亡保険金の請求権は、被保険者であるお姉様が亡くなった時点で、受取人に指定されているお母様の権利となります。

 

もし、保険受取人が被保険者よりも先に亡くなった場合はお母様からどなたかに受取人の変更手続きをするのが一般的です。

しかし、お尋ねの場合は、お母様が亡くなった際に受取人の変更手続きをしていなかったので、お姉さまが亡くなった今となっては、その手続きはできないこととなります。

 

それでは、死亡保険金の請求権はどうなるのかというと、保険法46条の規定では保険金受取人が被保険者より先に死亡していた場合には、「保険金受取人の相続人の全員が保険金受取人となる」と定められています。

 

そして、その際の保険金の受取割合は、法定相続分に従うのではなく、全ての相続人が平等に受け取ることができるとされています。

 

以上が、保険法による原則的な受取人に関するルールですが、保険会社の約款や契約によって、異なる受取人や受取割合が定められている場合には、これに従うこととなりますので注意が必要です。

この点については、保険会社にお問い合わせした方がよろしいでしょう。

 

2022.10.11更新

Q: 3箇月の「熟慮期間」(後述)を過ぎてから被相続人に多額の借金があることが判明しました。この場合、相続放棄はできませんか。

 

A:民法第915条1項は、「 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。」と規定しています。この3箇月間を「熟慮期間」といいます。また、熟慮期間内に手続きをする場合は、家庭裁判所に申述書を提出する必要があります。

 

お尋ねのように熟慮期間を過ぎてしまった場合は、前述の通り、通常では相続放棄はできません。しかし、民法第915条1項のただし書きに「この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。」と規定しています。この期間伸長の請求に該当して例外的に3箇月経過後の相続放棄を認めてもらうためには、次の点を申述書に記載して詳細に言葉を尽くして説明し、裁判所の了解を得る必要があります。

 

①被相続人の多額の借金を把握できなかった経緯
②3箇月以内に相続放棄ができなかった理由
なお、次のような場合は、熟慮期間内でも相続放棄はできません。
※相続財産を処分(売却・取壊し・解約など)した場合
※相続財産を隠匿、費消した場合

2022.10.04更新

Q:亡くなった父に多額の住宅ローンの債務が見つかりました。理由は自宅の建築にあたり銀行等から融資を受けていたからです。このローン残高は相続税の申告をする場合、相続財産から債務として差し引くことができますか?

 

A:相続財産の全貌を確定させるためには、借入金などのマイナスの財産である債務も確認しなければなりません。特に、住宅ローンの場合には、団体信用生命保険(通称:「団信」)に加入しているかどうかの確認が必須となります。

 

団体信用生命保険とは、債務者が銀行等から融資を受ける際、その銀行等を保険金の受取人にする生命保険です。この保険に加入していると、債務者が死亡した場合には、その時点で銀行等への債務の返済が保険金によって、いわば自動的に完了する仕組みとなっています。したがって、債務者の相続人には返済義務が承継されませんので、被相続人(債務者)の債務に計上することはできません。

2022.09.26更新

Q:国民年金や厚生年金の停止手続きを教えてください

 

A:国民年金や厚生年金の受給者が死亡した場合、次のとおり年金受給の停止手続きをしなければなりません。なお、手続きは年金事務所または年金相談センターでできます。

 ・国民年金 死亡後14日以内
 ・厚生年金 死亡後10日以内

 

手続きは、最初に「年金受給者死亡届(報告書)」を提出することとなります。ただし、生前にマイナンバー登録が済んでいる場合は、死亡届の提出を省略することができます。

さらに、ほかに年金証書、死亡診断書か埋葬許可書、除籍謄本、故人と年金請求者の住民票の写し(所帯全員)などが必要となります。

 

また、年金の支給は2か月ごとになされますから、故人が受け取るべき年金を受け取らないまま亡くなっている場合もあります。

その場合は、「未支給年金・未支給給付請求書」を提出して支給を受けることができます。

ただし、この場合には受給順位があって、配偶者→子→父母→孫→祖父母→兄弟姉妹→その他(3親等以内の親族)の順となっています。

なお、上記の未支給年金は相続財産にはなりません。(平成7年11月7日最高裁判決)

2022.08.30更新

Q:分割協議がまとまらず納税資金の手当てができません

相続人全員の話し合いがまとまらず、未分割のままで申告することとなりました。相続財産が多いので、納税額が相当な金額になりそうです。ただし、相続財産の金融機関の預金口座が凍結されているため、納税資金がない状態です。

 

A:金融機関(銀行等)は、相続開始の情報を得た場合に、故人名義の口座(預貯金等)を凍結して、入出金ができないようにしてしまいます。金融機関が口座を凍結する理由は、故人の預貯金が「遺産」の対象となるからです。

 

特に預貯金は銀行のATM機で親族が故人のキャッシュカードを持参して暗証番号さえ入力すれば、本人確認なしで預金者本人でなくても容易に引き出すことができます。そのため、親族が勝手に預金の引き出しを行い自分のものとした場合、後日、他の相続人とのトラブルとなることも想定されます。

 

銀行としては、安易に故人の預貯金が引き出されてしまうと、他の相続人から抗議を受けることがあり、相続争いに巻き込まれないために故人の口座を凍結することになります。

 

しかし、故人の口座が凍結されると相続開始後の葬儀費用の支払いや相続税の納付に必要な場合に、その資金に困るといったケースがあります。そのため、2019年7月1日の民法改正で各々の相続人が金融機関ごとに150万円を上限として、預貯金残高の3分の1までの範疇で仮払いを請求する制度が施行されました。これにより、仮に、金融機関3ヶ所の利用で預貯金残高が充足していれば最高450万円まで引き出せることとなります。

 

これでも当面の資金が足りない場合は、各金融機関の相続手続きの案内に従って故人の預貯金の解約や名義変更を進めることとなります。

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