Q:国外財産の相続税評価と相続税はどうするの?
A:国外に所在する土地を相続する場合は、国内における路線価方式や倍率方式を適用して評価することはできません。そのため、財産評価基本通達に定める評価方法に準じて、売買実例価額や専門家の鑑定評価等を考慮して評価することとなっています。(財産評価基本通達5-2)
そして、課税上の弊害がない限りにおいて、その土地の①取得価額や、②課税時期において譲渡した場合の価額に、時点修正するための合理的な価額変動率を乗じて評価することができるとされています。この場合の合理的な価額変動率は、公表されている諸外国における不動産に関する統計指標等を参考に求めることができます。
また、国外の財産には、日本の相続税と外国の相続税に相当する税が課税される場合があります。この場合は、外国と日本の二重課税を調整するために、外国で課税された相続税に相当する金額を日本の相続税から差し引くこととしています。 この制度を相続税の外国税額控除といいます。(相続税法20条の2)
つまり、国外財産について、その外国で日本の相続税に相当する税が課税された場合で、その国外財産を取得した者が日本においても相続税が課税となる場合については、日本の相続税額から外国で課された相続税に相当する税の一定額が控除されることになります。
なお、相続税の外国税額控除の適用要件は以下の通りです。
1 相続又は遺贈により財産を取得したこと
2 上記1により取得した財産が日本国外にあること
3 上記1により取得した財産について、その財産の所在地国において、相続税に相当する税が課税されたこと