遺言者の遺言能力の判定
2015.04.07更新
最近最も多いのが、遺言者の遺言能力をめぐる係争です。遺言能力について、民法では、「15歳に達した者は、遺言をすることができる」、「遺言者は、遺言をする時においてその能力を有しなければならない」、また、「成年被後見人が事理を弁護する能力を一時回復した時において遺言するには、医師2人以上の立会いがなければならない」と規定されています。つまり遺言者には、遺言の意味を理解しその効果を判断する能力が必要です。言い換えれば自分の遺言の内容やその結果生じる法律効果を理解判断することができる能力があれば足ります。近年、高齢者の認知症等の疾病等によって遺言者に遺言能力があったか否かをめぐって係争が起こることが多くなっているようです。認知症であっても、要は、遺言の意味を理解し、その効果を判断できる能力があれば良いのです。従って、無効を主張する側には遺言能力のないことの主張や立証責任があります。係争を防止する上でも公正証書遺言にしておくことや、不安がある方は、遺言書作成時に医師の診断書を作成して頂き判断能力がある旨明記してもらうようにすることをおすすめします