2024.07.30更新

前回の「その一」に続く第二弾の「その二」となりますが、今回は「特定事業用宅地等」の特例について解説します。

 

「特定事業用宅地等」とは、被相続人が相続開始の直前において被相続人等の事業(不動産貸付業、駐車場業、自転車駐車場業および準事業(事業と称するに至らない不動産の貸付けその他これに類する行為で相当の対価を得て継続的に行うものをいう)を除きます。)の用に供されていた宅地等で、相続または遺贈により引き継いだものをいいます。

 

この特例が適用されれば、該当する土地について最大400㎡まで80%の評価減額が可能となります。

 

ただし、「特定事業用宅地等」の特例を受けるためには、次の区分に応じて、それぞれに掲げる要件の全てに該当する必要があります。

 

(1) 被相続人の事業の用に供されていた宅地等
その宅地等の上で営まれていた被相続人の事業を相続税の申告期限までに引き継ぎ、かつ、その申告期限までその事業を営んでいること


(2) 被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族の事業の用に供されていた宅地等
相続開始の直前から相続税の申告期限まで、その宅地等の上で事業を営んでいること
ただし、その利用は使用貸借(無償使用)でなければならない

 

そして、上記の二つの要件に共通しているのは、相続税の申告期限の終了するまで、①相続した宅地等を保有し続けること(保有継承要件)と、②その事業を営み続けること(事業継承要件)が必須となっています。

なお、この特例を適用することで相続税が0円になる場合でも、必ず相続税の申告期限内に申告手続きをする必要がありますので注意が必要です。

2024.07.18更新

7月16日よりTAO税理士法人本部オフィスは藤沢リラビル4Fから2Fへ移転しました。

TAO相続支援センターはこれまで通り藤沢リラビル3Fでございます。

2024.07.02更新

小規模宅地等の特例とは、小規模な宅地について、一定の要件を満たす宅地等については最大80%評価額を下げて相続税の負担を軽減できるという制度です。これだけ大きな減額割合ですので、その要件を満たすには厳しい条件をクリアーすることが要求され、また、その要件も複雑なものとなっています。

 

小規模宅地等の特例の対象となる宅地等は、大きく分けて次の4つに分類されています。

① 特定居住用宅地等
亡くなった人の自宅として使っていた宅地等に対する特例
限度面積330㎡ 減額割合80%


② 特定事業用宅地等
亡くなった人の個人事業(貸付用を除く)として使っていた宅地等に対する特例
限度面積400㎡ 減額割合80%


③ 特定同族会社事業用宅地等
亡くなった人の会社(同族会社)として使っていた宅地等に対する特例
限度面積400㎡ 減額割合80%


④ 貸付事業用宅地等
亡くなった人が貸地又は貸家など貸付用としていた宅地等に対する特例
限度面積200㎡ 減額割合50%

 

今回は、上記4つの分類の内、亡くなった人が自宅として使用していた宅地等を対象とする「特定居住用宅地等」(上記①)について解説します。

亡くなった人が住んでいた土地について、「特定居住用宅地等」の要件を満たす取得者は「配偶者・同居親族・家なき子」の三者となります。

 

まず、「配偶者」は、無条件で要件を満たす取得者に該当します。


次に「同居親族」は、亡くなった人と同じ家に住んでいた親族が要件を満たす取得者に該当します。

ただし、二世帯住宅(区分所有)の居住形態の場合は要件を満たさないケースもありますので注意が必要です。

 

また、「家なき子」は、第三者所有の建物に賃貸暮らしをしている人が要件を満たす取得者に該当します。ただし、この場合は、その要件が次のとおり複雑となっています。

 

1. 居住制限納税義務者または非居住制限納税義務者のうち日本国籍を有しない者ではないこと
2. 被相続人に配偶者がいないこと
3. 相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋に居住していた被相続人の相続人がいないこと
4. 相続開始前3年以内に日本国内にある取得者、取得者の配偶者、取得者の3親等内の親族または取得者と特別の関係がある一定の法人が所有する家屋に居住したことがないこと
5. 相続開始時に、取得者が居住している家屋を相続開始前のいずれの時においても所有していたことがないこと
6. その宅地等を相続開始時から相続税の申告期限まで所有していること

 

なお、「特定居住用宅地等」の特例は、上記の他に亡くなった人と生計を一にする親族(亡くなった人と同じ財布で生活していた家族)が、亡くなった人所有の住宅に住んでいた場合も特定居住用宅地等に該当するとされています。

この場合、その要件を満たすのは「配偶者と生計を一にする親族」の二者になります。

 

また、小規模宅地等の対象となる宅地等を相続税の申告期限まで保有することが要件になっていますので、その前に売却すれば特例は受けられません。

ただし、無条件で特例の適用を受けられる配偶者は相続税申告期限前であっても対象の不動産を売却することができます。しかし、相続時精算課税に係る贈与によって取得した宅地等は、小規模宅地等の特例の適用対象外となります。

そして、亡くなった人が生前に老人ホームに入居していた場合でも、一定の要件を満たせば小規模宅地等の特例の適用を受けられますので知っておくと良いでしょう。


このように、小規模宅地等の特例の適用については、その要件の解釈が大変難しいため、税の専門家に相談されることをお勧めいたします。

 

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