2023.01.27更新

令和4年12月に国税庁より、「令和3年分における相続税の申告事績の概要」が公表されました。

 

それによると、令和3年分における「被相続人数(死亡者数)」は、1,439,856人で令和2年分1,372,755人と比較して104.9%(+4.9ポイント)でした。

そのうち「相続税の申告書の提出に係る被相続人数」は134,275人で令和2年分120,372人と比較して111.6%(+11.6ポイント)でした。

 

また、亡くなった人に対する相続税の申告書の提出に係る人の割合、所謂、「課税割合」は、令和2年分の8.8%から令和3年分は9.3%(+0.5ポイント)になりました。

「課税割合」は、相続税基礎控除引下げの影響があった平成27年分の8.0%から年々増加の傾向が続いています。

 

その「課税価格の総額」は18兆5,774億円で、令和2年分16兆3,937億円と比較して113.3%で13.3ポイント増加しました。

 

なお、「申告税額の総額」は2兆4,421億円で、令和2年分の2兆915億円と比較して116.8%(+16.8ポイント)でした。

2023.01.24更新

相続した土地について、「遠くに住んでいて利用する予定がない」、「周りの土地に迷惑がかかるから管理が必要だけど、負担が大きい」といった理由により、土地を手放したいというニーズが高まっています。
 このような土地が管理できないまま放置されることで、将来、「所有者不明土地」が発生することを予防するため、相続又は遺贈(遺言によって特定の相続人に財産の一部又は全部を譲ること)によって土地の所有権を取得した相続人が、一定の要件を満たした場合に、土地を手放して国庫に帰属させることを可能とする「相続土地国庫帰属制度」が創設されました。

この制度は、令和5年4月27日からスタートします。(法務省:HP)

 

なお、相続土地国庫帰属制度の開始前に相続などによって取得された土地についても、国庫帰属の対象となります。

 

ただし、次の「却下事由」「不承認事由」に該当する土地については、国庫への帰属が認められません。

 

(却下事由)(法第2条第3項)
 A建物がある土地
 B担保権や使用収益権が設定されている土地
 C他人の利用が予定されている土地
 D土壌汚染されている土地
 E境界が明らかでない土地・所有権の存否や範囲について争いがある土地
(不承認事由)(法第5条第1項)
 A一定の勾配・高さの崖があって、管理に過分な費用・労力がかかる土地
 B土地の管理・処分を阻害する有体物が地上にある土地
 C土地の管理・処分のために、除去しなければいけない有体物が地下にある土地
 D隣接する土地の所有者等との争訟によらなければ管理・処分ができない土地
 Eその他、通常の管理・処分に当たって過分な費用・労力がかかる土地

 

また、この制度を適用して相続した土地の国庫帰属を申請する場合の申請者の負担金は、土地の種目に応じて、10年分の標準的な管理費用額を考慮して算定した額とされています(法10条1項)。

負担金の具体的な内容は次のとおりです。


① 宅地の場合は原則として20万円
※市街化区域・用途地域が指定されている地域内の土地は、面積に応じて計算
② 田、畑の場合は原則として20万円
※市街化区域・用途地域が指定されている地域、農用地区域、土地改良事業などの施工区域内の農地は、面積に応じて計算
③ 森林の場合は面積に応じて算定
④ その他(雑種地、原野など)の場合は20万円

 

なお、詳細は「法務省の相続土地国庫帰属法制度の負担金」を参照ください。
この制度を活用するには負担金の費用が発生しますので、それを回避する最良の解決法としては、土地の買い手が見つかることです。状況によっては、相続放棄も考えられますが、相続を放棄すると他の財産も相続することができなくなるデメリットがあります。
このように管理できない土地を相続される場合は、司法書士・弁護士など、専門家にご相談されることをお勧めいたします。

2023.01.05更新

新年明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願い申し上げます。

 

TAO税理士法人資産税グループ一同

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