相続放棄の有効性
2022.08.29更新
一般的に「相続放棄」というと、財産をもらわないことだと認識されていると思います。つまり、相続人の間で財産分けの協議をした結果、一部の相続人が財産をいらないということで処理するような場合です。
しかし、民法でいう「相続放棄」は、放棄をする相続人が家庭裁判所に申述して手続きをしなければなりません。しかも、申請手続きは自身に相続が始まったことを知ってから、3ヶ月以内にしなければならないとされています。
裁判所から「相続放棄」が認められれば、その効力を持って第三者に対抗することができます。例えば、負債が相続財産として残った場合、その負債を請求されることはなくなります。そのかわり、後で財産が出てきても一切相続することはできなくなるので注意が必要です。
ただし、次の様なケースの場合に「相続放棄」が無効となります。
①遺産分割協議を行う
②相続財産を運用又は消費する
③相続財産を利用して被相続人が負っていた債務を支払う
④相続財産の名義を自分の名義に変える
⑤被相続人が保有する債権に基づいて債務所を取り立てて支払いを受ける
⑥払いすぎていた税金や保険料等の還付金を受け取る