2020.07.31更新

令和2年4月1日以後に開始する相続により取得する財産に係る相続税について、配偶者居住権が創設されました。

 

配偶者居住権には、短期と長期配偶者居住権がありますが、相続に大きな影響がありそうな長期についてその概要を解説します。

 

この度の民法改正は、「高齢化の進展等の社会経済情勢の変化に対応し、残された配偶者の生活に配慮する等の観点から」昭和55年以来40年振りに相続に関する規律の見直しとなりました。

配偶者居住権は、配偶者の居住権を長期的に保護するための方策として新設されました。

 

配偶者が相続開始時に居住していた被相続人所有の建物を対象として、終身又は一定期間、配偶者に建物の使用を認めることを内容とする法定の権利(配偶者居住権)の新設です。⇒ 遺産分割における選択肢として、被相続人の遺言等によって、配偶者に配偶者居住権を取得させることができるようになります。

 

では、これまでとどの様に変わったのでしょうか。

 

〇現行制度では、被相続人と同居の配偶者が居住建物を取得する場合には、他の財産を受け取れなくなってしまうことがありました。

 

改正前

 

 

〇制度導入後は自宅を配偶者居住権負担付の所有権に分離することが出来るようになります。

 

改正後

 

 

相続税における配偶者居住権等の評価方法について説明します。

 

〇配偶者居住権

建物の評価-建物の時価×(耐用年数-経過年数-存続年数/耐用年数-経過年数)×存続年数に応じた民法の法定利率による複利現価率

 

〇配偶者居住権が設定された建物の所有権

建物の時価-配偶者居住権の価額

 

〇配偶者居住権に基づく居住建物の敷地の利用に関する権利の価額

土地等の時価-土地等の時価×存続年数に応じた民法の法定利率による複利現価率

 

〇居住建物の敷地の所有権等

土地等の時価-敷地の利用に関する権利の価額

 

以下、解りやすく計算してみましょう。

 

計算例

 

つまりこのケースでは、自宅土地建物5,000万円のうち

1,440万円+780万円=2,220万円(配偶者居住権)を妻が取得

2,560万円+220万円=2,780万円(所有権)を子が取得することになります。

 

配偶者居住権が成立するための条件には、どの様な要件があるか

 

*配偶者居住権の成立要件(民法1028条1項) 

①配偶者が相続開始の時に被相続人所有の建物に居住していたこと
②その建物について配偶者に配偶者居住権を取得させる旨の遺産分割、遺贈又は死因贈与がされたこと

 つまりは、被相続人の遺言等が必要です。

 

 

 

 

 

 

 

 

2020.07.17更新

令和2年分の路線価が7月1日に国税庁より発表されました。

 

全国平均で1.6%の上昇となり、5年連続で上昇する結果となりました。

すべての都道府県が上昇しているわけではなく、26都道府県は路線価が下落して二極化が進んでいる状況です。

また、大きく上昇したのは沖縄県で10.5%、東京5%、宮城県と福岡県が4.8%などです。

 

路線価等は、その年の1月1日を評価時点として、1年間の地価変動などを考慮し、地価公示価格等を基にした価格(時価)の80%程度を目途に評価しています。

 

なお、今年は未だ続く新型コロナウイルス感染症の影響で、年の途中で地価が大幅に下落する可能性が出ているため、下記の注釈がなされています。

 

(注) 今後、国土交通省が発表する都道府県地価調査(7月1日時点の地価を例年9月頃に公開)の状況などにより、広範な地域で大幅な地価下落が確認された場合などには、納税者の皆様の申告の便宜を図る方法を幅広く検討いたします。

2020.07.03更新

自筆証書遺言書を法務局で保管する制度が整備され、令和2年7月10日から施行されます。

これまでは、自筆証書遺言は保管についての規定がなく、発見されなかったり、誤って破棄されたりして遺言が実現されないことがありました。

遺言を作成した本人が法務局に持参し、本人確認後、法務局に保管してもらいます。

相続が発生した場合、相続人や受遺者等は法務局において保管されている遺言事項を証明する書面の交付を請求できるようになります。

遺言書情報の確認をする際は本人確認が必要となります。これにより、偽造等の紛争は避けられ、法務局が保管した自筆証書遺言は家庭裁判所での検認手続きが除外されます。

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