2022.01.31更新

遺言によって相続人以外に財産を譲り渡すことを「遺贈」といいます。
遺贈には「包括遺贈」と「特定遺贈」の2種類がありますが、どのように違うのかを説明します。

 

まず、包括遺贈とは、遺産の全部又はその分散的割合(例:全遺産の3分の1)、ないし、抽象的割合を指示するにとどまり、目的物を特定しないでする遺贈です。
なお、包括遺贈には遺贈する財産が変化しても一定の割合を特定の相手に遺せるというメリットがありますが、反面、遺贈者に借金(債務)があれば、遺言の割合に応じてその債務を負うというデメリットがあります。

 

また、相続人がいない人の場合は、養子縁組をする以外は、遺言で自分の財産全部を包括的に遺贈する人を決めて思いを遺すことができます。(全部包括遺贈)

 

これに対し、特定遺贈は、目的物を具体的に特定してする遺贈です。(民法964条)
例えば、自宅の土地を誰々に遺贈する、というように遺産のうち特定の財産を指定して受遺者に譲り渡すことをいいます。

 

このように譲り渡す財産が特定されているため、包括遺贈に比べると法定相続人との間で協議する必要がないので、トラブルが生じる可能性は高くありません。

2022.01.21更新

令和3年12月に令和2年分における相続税の申告事績の概要が国税庁より公表されました。

 

令和元年分 被相続人数(死亡者) 1,381,093人
      相続税の申告書の提出に係る被相続人数 115,267人

 

*つまり、1,381,093人が亡くなり、その内相続税申告に係る人が115,267人でした。

       その割合(課税割合)は8.3%

 

令和2年分 被相続人数(死亡者) 1,372,755人
       相続税の申告書の提出に係る被相続人数 120,372人
       その割合(課税割合)は8.8%

 

 

課税割合の推移                        元年 2年
全国      4.1  4.2 4.3  4.4   8.0   8.1   8.3    8.5     8.3    8.8
東京国税局   6.9  7.1 7.4  7.5 12.7  12.8 13.2  13.6   13.1  13.8
神奈川県                          12.6  13.5
東京都                           16.3  17.0
                            (国税庁)

 

都市部になるほど地価が高いため相続税の申告が必要な人の割合は高く、年々その割合は増えています。

2022.01.18更新

昨年の12月に国税庁より全国の相続税の調査等の状況が公表されました。


令和2事務年度(令和2年7月~同3年6月)においては、新型コロナウィルス感染症の影響によって、相続税の実地調査件数は令和元事務年度の10,635件に対して、5,106件(対前年比48.0%)と大幅に減少しています。

 

しかし、その中で、文書や電話での連絡又は来署依頼による面接によって、納税者と接触(簡易な接触)して申告漏れや計算誤り等を是正した件数は、令和元事務年度8,632件に対して、令和2事務年度は13,634件(対前年比157.9%)と大きく増加しました。

 

その結果、簡易な接触による申告漏れ等の非違件数は3,133件(対前年比137.3%)で、その申告漏れ課税価格は560億円(同131.1%)、追徴税額は65億円(同154.8%)といずれも簡易な接触事績を集計し始めた平成28事務年度以降で最高となっています。

 

このように感染症によって人の接触が制限される中において、相続税の調査の方法も変化してきているようです。

2022.01.14更新

令和3年度の税制改正大綱において、相続税と贈与税の一体課税を本格的に検討していくことが織り込まれ、ショッキングなニュースとして報道されました。


令和4年度の税制改正大綱においても、その表現自体に変更はなく、現在のところ制度改正までは至っておりませんが、いずれにせよ、今後、実質的な増税傾向に向かうことは明らかでしょう。

 

贈与税の「暦年贈与」は最も手軽にできますが、ある程度の金額を後世に残していくためには年月を必要とします。しかし、現状の法制度の下では有効に節税できる制度でもありますので、計画的に実行されることをお薦めします。

 

それでは、「暦年贈与」で誰に贈与したらいいのかを考えるとき、税負担面で最も有利と考えられるのは、相続人にならないお孫さんやご親戚となります。なぜなら、相続の場合に贈与加算の対象とならないからです。


また、相続の時に、本来の相続財産を全く受け取らない相続人に「暦年贈与」していた場合も加算対象とされません。なお、相続人には3年以上経過した贈与は加算対象とされないこととなっています。

2022.01.13更新

会社が不動産を所有する「所有型法人」が節税対策の面で有利となる場合は、主に、次の5つの前提と言われています。

 

1. 建物の賃貸物件を多く所有する
2. 建物の築年数が相当程度経っている
3. 無借金である
4. 不動産の名義が親名義である
5. 相続発生までの期間が3年以上見込まれる

 

上記の条件を満たした場合、建物を会社が所有することから、家賃収入が100%会社に帰属するため、最も効果的に所得分散をすることが可能となります。
また、会社と不動産オーナーとの間で土地の賃貸借契約を締結することにより、土地の評価額を低減させる効果が見込めます。
なお、不動産オーナーから会社へ建物の名義を移転する場合は、何らかの課税要件が発生することについては考慮する必要があります。

 


「所有型法人」方式を利用した節税効果は、資産規模が大きくなる程その効果が上昇すると言われています。しかし、その反面、失敗例も多いと言われていますので、具体的な実施に当たっては、専門家にご相談されることをお薦めいたします。

 

2022.01.06更新

現行の民法第4条では、「年齢20歳をもって、成人とする」と定められています。
しかし、民法の一部改正の法律が施行される令和4年4月1日から、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられます。この改正により相続税・贈与税においても、20歳を基準としているものは18歳が基準となり、以下の通り改正されることとなります。

 

1 相続税の未成年者控除

 

相続人の中に未成年者がいる場合、相続税が一定額控除されますが、その控除額が次の通り改正されます。
*改正前:法定相続人が20歳未満の者である場合には、20歳に達するまでの年数に10万円を乗じた金額を相続税額から控除
*改正後:18歳に達するまでの年数(1年未満の端数は切り上げ)に10万円を乗じた金額を相続税額から控除
また、2回目の未成年者控除においても控除可能額に影響があります。

 

2 贈与税の相続時精算課税制度

 

相続時精算課税制度の適用を受けることができる人は、贈与の年の1月1日において、18歳以上の人となり、従来の20歳から2年早く適用が受けられることになります。

 

 

3 贈与税の特例贈与(特例税率)直系尊属(父母や祖父母)から贈与を受けた場合の贈与税の特例を受けることができる人は、贈与の年の1月1日の年齢が20歳以上から18歳以上に引き下げられます。

 

 

また、一般的に遺産分割協議においては、現行では20歳以上の相続人でなければ遺産分割協議に参加できませんが、令和4年4月1日以降はその時点で18歳以上の相続人であれば同協議に参加することができることになります。

 

 

2022.01.05更新

新年明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願い申し上げます。

 

TAO税理士法人資産税グループ一同

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