2016.08.22更新

うっかり敷金の精算を忘れて時価課税!?

 親から子へ賃貸アパート(建物の時価1億円、固定資産税評価額7,000万円。1,000万円の預り敷金あり)を贈与しました。しかし、賃借人から預かっていた敷金の精算を親子間で行うことをすっかり忘れていると税務上どのような問題が生じるでしょうか。

 賃貸アパート(貸家)の相続税評価額は賃貸割合が100%だとすれば4,900万円(7,000万円×(1―30%))です。建物の贈与と同時に敷金相当額の現金を子に渡していると、4,900万円の贈与となります。しかし、建物の贈与の時にうっかりと敷金相当額の現金を子に渡していないと、9,000万円(建物の時価1億円-預り敷金1,000万円)の贈与となるのです。

 これは、賃貸中の建物の新所有者は当然に敷金を引き継ぐとされているため、敷金相当額の精算を行わない贈与は、負担付き贈与に該当するためです。

  そして、負担付き贈与に該当する場合の建物評価額は相続税評価額ではなく、通常の取引価額、すなわち時価とされています。

 賃貸アパートを贈与する際には資金相当額の精算も併せて行うことを忘れないでください。

2016.08.18更新

土地の無償貸与で相続対策!?

 他人に建物所有目的で土地を貸すと、所有している土地に借主の借地権が発生するため底地となり、相続税評価額は大きく下がります。このことを聞いたのでしょうか、相続税対策と称して親族に土地を貸している方がいました。ただし、金銭のやり取りは一切なく、無償貸与です。

 この場合、実は土地の評価額は1円も下がりません。なぜなら、このような無償の取引を使用貸借といいますが、個人間で土地の使用貸借を行った場合、「税務上は借地権を認識しない」という整理がなされているからです。

過去には借地権の取引慣行のある地域において土地の使用貸借を個人間で行った場合には、税務当局が借地権相当額に課税を行う時代もあったようですが、現在では昭和48年11月1日付に発遣された個別通達において借地権を認識しないことが明確になっています。

   しかし、見方を変えれば、別途、土地の有効活用策を提案することで、現状の自用地評価額から評価額の下げられる余地がある土地ともいえます。したがって、現状を前向きに捉える視点も求められます。

2016.08.09更新

①不動産編

相続税の申告期限内における小規模宅地等の譲渡は特例適用なし!?

 相続税の申告期限は相続開始後10ヶ月ですが、遺産分割協議が思いのほか順調に進んだため、申告期限内に相続で取得した自宅敷地を売却される方がいます。ここで、売却した自宅敷地が小規模宅地等の特例の適用を前提とした土地であった場合には、どのような事態が想定されるでしょうか。売却した本人は、もちろん特例の適用は受けられると思っています。

しかし、残念なことにこのようなケースでは、小規模宅地等の特例を使うことはできません(配偶者が自宅敷地を相続した場合を除く)。なぜなら、小規模宅地等の特例には「申告期限まで所有を継続」という適用要件があるからです。恐らく、自宅を売却された相続人には、やむを得ない何かしらの事情があったのでしょう。

なお、配偶者が自宅敷地を取得したケースでは、上述のような制限はありません。したがって、申告期限の10ヶ月を待たずして自宅敷地を売却したとしても特例の適用は可能です。配偶者については、相続を契機に自宅敷地を売却して、他の親族の家に移り住んだり、老人ホームに入居したりするケースも多いことから、税制面での保護が必要と税務当局は考えているのでしょう。

したがって、このようなケースに遭遇した場合には、不動産譲渡の契約は相続税の申告期限内に行ったとしても、引き渡しは申告期限後に行うよう助言する必要があります。たとえ不動産譲渡の契約が申告期限内であっても、引き続き申告期限後まで住み続け、その後に引き渡しを行った場合には、小規模宅地等の特例の「所有と継続」の適用要件を満たすものと考えられているからです。

 

2016.08.02更新

会社規模による区分

財産評価通達では少数株主に該当するか否かといった株主区分により、原則的評価方法と特例的評価方法である配当還元評価方式を使い分けています。

原則的評価方法には類似業種比準価額方式と純資産価額方式の2つの方法があります。これらはどのように使い分けるのでしょうか。ここでも色々な考えがあるのでしょうが、財産評価通達では会社規模に応じて次のように評価方法を使い分けることとしています。

【ポイント】会社規模による株式評価方法

a.大会社→類似業種比準価額方式(有利な場合は純資産価額方式も可)

b.中会社→併用方式(有利な場合は純資産価額方式も可)

c.小会社→純資産価額方式(有利な場合は併用方式※も可)

※併用方式とは類似業種比準価額と純資産価額を一定の割合でミックスする方式です
 このように評価方法を使い分けるのは、非上場会社といっても、上場していてもおかしくない大規模な会社から、個人事業と変わらない小規模な会社まで様々存在するからです。

そこで財産評価通達では、大規模な会社の場合は上場会社の株価と連動する類似業種比準価額方式を原則とし、小規模な会社の場合は保有する資産に着目した純資産価額方式を原則としています。

また、会社規模を判定する場合は、財産評価通達では評価時点の直前期における次の3つの要素を判定基準としています。

【ポイント】財産評価通達における株式評価方法の判定基準

a.直前期末における帳簿上の総資産価額

b.直前期末以前1年間の従業員数

c.直前期末以前1年間の取引金額
 要するに財産評価通達は、経営を行ううえで重要な資源であるヒト(従業員)・モノ(資産)・カネ(売上)のボリュームを判定基準としているわけです。なお、実際の判定の流れについては国税庁が出している「取引相場のない株式の評価明細書(会社規模の判定基準)」に掲げられています。

 

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