アパートを贈与した場合の盲点
2022.11.21更新
仮に父から子へアパート(土地・建物、以下「アパート」といいます)を贈与したとします。この場合、通常はアパートを評価して、その「相続税評価額」にて贈与税の算定をします。
単純にアパートを贈与すると預り敷金を一緒に贈与することとなるため、この場合は、負担付贈与に該当します。そして、贈与された預り敷金は、入居者に返還すべきものなので、贈与を受けた人にとっては債務を背負うこととなります。
しかし、①アパートと預り敷金の贈与と同時に、預り敷金と同額の現預金の贈与をすれば、贈与税の計算上は贈与財産の額が増加せず、アパートの相続税評価額のみが課税対象となります。
なお、②預り金相当額の贈与がない場合には、負担付贈与となり、アパートの「時価額」から預り敷金の額を控除した残額に対して贈与税が課税されることとなります。
このように、同じく預り敷金の返還義務を背負うにしても、その預り敷金の多寡やアパートの価値などを考慮して、上記①及び②を選択すべきと思われます。