2019.09.03更新

遺産は、最終的に国のもの(国庫に帰属)となってしまいます。

しかし、簡単にそうなるのではなく、先ず、戸籍上の相続人や内縁の妻との子(非嫡出子)がいないことを捜索します。

そして、該当者がいない場合には、家庭裁判所において次の手続きを経ることとなります。

 

① 「相続財産管理人」を選任し2ヶ月間公告をする

           ↓

② 債権者や受遺者に請求するよう2ヶ月間公告をする

           ↓

③ 「相続権の主張」を6ヶ月間催告する

           ↓

④ 上記①~③の該当がない場合「相続人不存在」が確定する

             ↓

⑤ 3ヶ月間「特別縁故者」の申し立ての受付をする

 

上記①~⑤において遺産の清算・分与が途中でされた場合でもなお残余財産があれば、国庫に帰属することになるのです。

上記⑤の「特別縁故者」として財産を取得する場合は、その認定を受けるための複雑な手続きを経なければなりません。

 

遺産の国庫帰属や複雑な手続きを回避するには、戸籍上の養子縁組や遺言書、信託契約などの書面手続きの対策が必要となります。

 

 

2019.08.23更新

相続税の申告をする場合の土地の評価は、主に国税庁が発表した「路線価」で評価されます。

 

それはなぜでしょうか。

 

それは相続税法第22条で土地の価額は「時価」とすると明記されていますが、実務上、この時価額を判断することが難しいからです。

そこで、国税庁は、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われた場合に通常成立すると認められる価額を「路線価」として発表しています。

すなわち、国税庁は、納税義務者が混乱せず統一性を保つとともに、課税の公平を実現する見地から、「路線価」を発表し、その評価方法を具体的に定めた財産評価基本通達を制定して一般に公開することにより、納税者の申告・納税の便に供することとしているのです。

2019.07.16更新

相続税や贈与税における土地等の評価額算定の際の基準となるのは路線価でありますが、本年度分の路線価が7月1日に国税庁より発表されました。

 

今年の路線価は全国レベルで対前年比1.3%の上昇となっており、平成26年以降連続しての上昇となっております。

 

ここ数年来の傾向としては都市部(東京・大阪など)や外国人の訪日で人気のあるリゾート地(北海道や沖縄)の一部で上昇率が高まっています。

これに対して過疎化などにより人口減少が続く地方部との二極化が一段と顕著になって表れています。

2019.07.04更新

遺言書を残すに当たって大切なことは、遺産分割どのようにするという結論だけではなく、むしろどういう趣旨でその遺言書を書いたのか、ということなのです。

 

もし、遺留分を侵害するような内容や、相続人の一部にとっては公平性を欠く内容の遺言になる場合には、遺言書にその理由を書く(付言(ふげん)といいます。)ことが大切なのです。

 

「付言」とは、遺言事項(書いて有効な事項)ではありませんので、形式等の決まりは特にありません。

 

一般的に、手書きの遺言書(自筆証書遺言)や公正証書遺言を問わず、遺言の最後(末尾)に付記します。

 

何故、このような内容の遺言を書くに至ったのかという遺言者の“想い”や親族の方々への感謝の気持ちを伝えたり、遺言者の特別な遺志などを伝えるためのメッセージを自由に綴る方が多いようです。

 

「付言」の有無によって、遺族が遺言内容に感じる印象は大きく変わるようです。その内容によっては相続人の心に大いに響いて、遺言内容に説得力を与えることもあります。

2019.06.18更新

相続手続等がマイナンバー活用で省力化されます.

 

行政手続きをデジタル化して利便性を推進する一連の法律が今国会で改正されました。

相続や税金の分野で利便性向上に一定の影響が見込まれます。現行における相続手続き等は大きく4つに分類されます。

 

①被相続人の死亡を自治体に届け出て、火葬や埋葬の許可を得る手続き

②公的医療保険、公的年金の資格喪失や遺族年金の申請

③法定相続人の確定のため、被相続人の出生から死亡までの全戸籍謄本の取得

④遺産分割に基づき、不動産などの財産名義を相続人に変更する手続きや相続税の申告

 

現在、死亡時の届け出は書面で行われています。一方、死亡届を受理した後の行政手続きでは自治体が被相続人のマイナンバーを把握できるので、公的な医療保険や年金の資格喪失手続きを自治体などがデジタル化でき、遺族の申請の手間を省けそうです。

 

また、戸籍法改正も相続手続きのデジタル化に寄与しそうです。法務省は2024年前半までに全国の市区町村が保有する戸籍情報のバックアップシステムを一元化して再構築し、戸籍のデータを最寄りの市区町村からも取得できるようにします。これにより遺産の名義変更で必要な被相続人の全戸籍謄本の収集が便利になるようです。

2019.06.06更新

相続財産が海外にある場合でも相続人同士で協議をして遺産分割をします。

そして、被相続人も相続人も国内に住所がある場合は、居住無制限納税義務者に該当し、国内・海外の全ての財産が日本の相続税の課税対象となります。

ただし、海外の財産が相続税の課税対象とならないのは、被相続人及び相続人が5年を超えて日本に居住していないケースなどの制限納税義務者に該当する場合に限られます。

なお、国内に住所があるかの判断は相続開始時を基準として、ここでいう住所とは各人の生活の本拠地を指します。

ただし、この場合は単に住民票上の住所が基準となる訳ではなく、生活の本拠地であるかどうかは、客観的な事実関係に基づいて判断されることとなるので注意が必要です。

近年、海外に財産を移動させれば相続税の課税を逃れることができるといった誤った考えや、海外にまで税務調査は及ばないであろうという安易な考えから、相続財産として申告しない事例が増加しているといわれています。

税務当局による海外関連事案の調査の増加により、海外財産の申告漏れを指摘される件数も増加しているといわれておりますので、海外に財産をお持ちの方はご留意ください。

2019.06.04更新

これまでは、遺産分割が成立していない場合、相続人は単独で預貯金の払戻しができませんでした。7月1日からは改正民法(相続法)が施行され、「相続開始の時の」債権額の3分の1に当該相続人の法定相続分を乗じた額については、他の共同相続人の同意がなくても単独で払戻しをすることができるようになります。

注意点は、払戻しができるのは金融機関ごとに、債権額の3分の1の法定相続分であり、その払戻しの上限は150万円であることです。

2019.05.27更新

相続によって取得した財産は原則として相続税がかかります。

ただし、その中には相続税をかけることに適当ではないと思われるものもあります。

相続税法では非課税財産としていくつかを列挙しております。

 

今回はその一つ墓所や仏壇を採りあげました。

 

相続税法第12条第1項第2号では「墓所・霊びょう及び祭具並びにこれらに準ずるもの」は非課税とすると規定しています。

つまり、祖先を崇拝する慣行を尊重するため、墓地・墓石・神棚・仏壇・仏像などは非課税とすることを意味しています。

これらの非課税対象のものは、崇拝や礼拝のため先祖から受け継いだもので子孫へと継承されて行くものです。

このようなものにまで税金をかけてしまっては、納税のために祖先から受け継いだ大切なものを手放さざるを得なくなり憤りを感じるでしょう。

このような国民感情への配慮から非課税となっているものと考えられます。

このように生前に墓地や仏壇・仏具を取得することは、それだけ預貯金等の財産を減らす効果があることから相続対策にもなり得るのです。

ただし、骨董品として収集された仏像や仏具などは、祖先の崇拝や礼拝の対象とならないことから非課税対象にはなりませんので注意が必要です。

2019.05.10更新

遺言書を作成する場合、日付を記すことが必須です。

 

これから遺言書を作成する場合、「令和元年〇月〇日」又は西暦での記載が有効です。

法律の専門家が作成する「公正証書遺言」と異なり、「自筆証書遺言」は遺言者ご本人が作成します。この場合、相続時には家庭裁判所が相続人又は代理人を集めて遺言の状態を確定します。この「検認」の件数は2017年に17,000件を超えました。

 

日付を記載するのは、遺言者がその能力を当日に有していたことを確定させるのが目的のひとつですので、誤った記載をすると、真実の作成日や遺言者の遺言能力について疑義が生じ、その結果,「検認」が認められず遺産分割に支障をきたすこととなり相続人同士のトラブルになりかねません。

 

日付を元号表記するなら正しい元号又は西暦を使用しましょう。

2019.04.18更新

例えば、家主である夫が亡くなり、遺された妻と子どもたちで実家を相続することになった場合、事前の相続対策を行っていなければ、その家は妻と子どもたちの共有物、すなわち「共有名義不動産」となります。こうなると、売るにしても貸すにしても、共有者全員による取り決めが必要となってくるのです。

 

結局、意見がまとまらず、相続した家の処遇に困り、実家は放置状態、空き家のまま年月が経過しているケースも少なくありません。

 

具体的な対処方法は主に以下の4点です。

 

1.遺産分割協議

相続発生後、遺産分割について相続人間で話し合い、実家をどう分割し活用していくかを決めましょう。

 

2.登記

法務局に申請し、被相続人の所有している実家を、新しい相続人の名義に更新しましょう。この手続きを行っておくことで、今後何かトラブルが発生したときも、名義人の所有物であることが証明でき、事態の深刻化を回避できます。

 

3.生前贈与及び遺言書の作成

被相続人による終活です。これをしておけば後々に問題となることはまずありません。今後実家を相続させることになる方は、作成しておくことをおすすめします。

 

4.家族信託

被相続人の財産に関する決定権を、事前に家族の誰かに託す方法になります。これによって実家は信託財産となり、共有名義不動産となることを防ぎます。

また、たとえば被相続人が認知症になって正当な判断ができなくなったり、怪我や病気で意識を失ってしまったりしたときも、決定権を任された受託者が迅速に対処できます。

 

これら解決方法は煩雑な手続きや法的な部分も絡んでくるので、自分には難しそうと感じたら、専門家に依頼するのがベターです。費用はかかってしまいますが、後々確実にやってくる問題に遭遇せずに済むのです。

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