2022.11.21更新

仮に父から子へアパート(土地・建物、以下「アパート」といいます)を贈与したとします。この場合、通常はアパートを評価して、その「相続税評価額」にて贈与税の算定をします。

 

単純にアパートを贈与すると預り敷金を一緒に贈与することとなるため、この場合は、負担付贈与に該当します。そして、贈与された預り敷金は、入居者に返還すべきものなので、贈与を受けた人にとっては債務を背負うこととなります。

 

しかし、①アパートと預り敷金の贈与と同時に、預り敷金と同額の現預金の贈与をすれば、贈与税の計算上は贈与財産の額が増加せず、アパートの相続税評価額のみが課税対象となります。

 

なお、②預り金相当額の贈与がない場合には、負担付贈与となり、アパートの「時価額」から預り敷金の額を控除した残額に対して贈与税が課税されることとなります。

 

このように、同じく預り敷金の返還義務を背負うにしても、その預り敷金の多寡やアパートの価値などを考慮して、上記①及び②を選択すべきと思われます。

2022.11.10更新

一般的に葬儀費用とは、故人を弔う一連の儀式や埋葬のためにかかった費用をいいます。

そして、相続税では葬儀にかかった費用は相続財産から控除できます。したがって、葬儀にかかる費用は、相続税を引き下げることができますが、その費用の額は宗教や葬儀の規模によって異なります。

 

近年は葬儀が小規模になったり、簡素化されたりして低額になる傾向にあるといわれております。そこで、具体的に相続税の計算上、葬儀費用として控除対象になるものとならないものを紹介します。

 

☆葬儀費用として控除できるもの
・通夜、告別式にお布施、戒名料、読経料など葬儀に関して支払った費用
・通夜、告別式に係る飲食費用
・通夜、告別式のために葬儀会社に支払った費用
・葬儀を手伝ってもらった人などへの心付け
・火葬、埋葬、納骨、遺骨の回送等にかかった費用
・遺体の運搬や捜索に係る費用
・死亡診断書の発行費用

 

☆葬儀費用として控除できないもの
・香典返しの費用
・初七日、四十九日、一周忌などの法要の費用
・墓石や墓地、仏壇仏具などの購入にかかる費用
・遺体の解剖など医学上または裁判上の特別の処置に要した費用

 

 

なお、実際に相続税の申告において葬儀費用を控除する場合は、原則として領収書やレシートなどが必要となりますので、相続税の申告まで紛失しないように注意しましょう。また、お布施や心付けなどで領収書をもらうことができない場合は、その事実を記録することで相続財産から控除することができます。

2022.09.14更新

昨年(令和3年)6月、国土交通省より発表された、令和2年度「土地問題に関する意識調査」の概要について、によると「本人または親や家族は、現在または将来の土地や住宅の相続について対応されていますか」という質問に対して、「親や家族との話し合いや専門家等との検討を行っている」と回答した人の割合が19.6%、「何も対応していない」と回答した人の割合が58.3%、「自分も親や家族も土地・住宅を所有いていない」と回答した人の割合が6.1%となっています。

 

相続について何も対応していないと回答した人に、その理由を聞いたところ、「時期尚早だと思っているから」をあげた人の割合が44.4%と最も高く、以下「相続制度や手続きのことが分からないから」16.9%となっています。「親や子や家族との話し合いの場や検討の時間が持てないから」が16.5%、「相続手続きが複雑で面倒そうだから」12.0%となっています。「特に理由はない」をあげた人の割合は27.8%でした。

 

制度や手続きのこと、検討の時間が持てないとお応えの人は、我々専門家の無料相談を活用されては如何でしょうか。

2022.08.29更新

一般的に「相続放棄」というと、財産をもらわないことだと認識されていると思います。つまり、相続人の間で財産分けの協議をした結果、一部の相続人が財産をいらないということで処理するような場合です。

 

しかし、民法でいう「相続放棄」は、放棄をする相続人が家庭裁判所に申述して手続きをしなければなりません。しかも、申請手続きは自身に相続が始まったことを知ってから、3ヶ月以内にしなければならないとされています。

 

裁判所から「相続放棄」が認められれば、その効力を持って第三者に対抗することができます。例えば、負債が相続財産として残った場合、その負債を請求されることはなくなります。そのかわり、後で財産が出てきても一切相続することはできなくなるので注意が必要です。

 

ただし、次の様なケースの場合に「相続放棄」が無効となります。

 

①遺産分割協議を行う
②相続財産を運用又は消費する
③相続財産を利用して被相続人が負っていた債務を支払う
④相続財産の名義を自分の名義に変える
⑤被相続人が保有する債権に基づいて債務所を取り立てて支払いを受ける
⑥払いすぎていた税金や保険料等の還付金を受け取る

2022.08.09更新

貸地は自用地に比べ相続税を算定する際に評価額を圧縮できるので、相続税の負担が軽減されるメリットがあります。(自用地の評価額から借地権割合を乗じた価額を控除)

 

一方で、昔から貸地になっているような土地は地代の値上げもままならず、収益性が低い物件が少なくありません。そのため、貸地を売却するにも市場性が乏しいことから、専門の不動産買取り業者等を頼るケースも稀ではありません。

しかし、専門業者等を頼っても立退き交渉が不調となった場合には、半永久的に貸地となるリスクがあるため、貸地(底地)の売却価額は低額となってしまうことが多いようです。

 

デメリットを回避するためには、次のような対応が考えられます。

 

1. 借地人から借地権を買い取る
2. 底地を借地人に売却する
3. 底地と借地権と一体で第三者に底地を売却する
4. 借地権と底地を交換してそれぞれ単独所有にする

 

このように、①貸地が相続財産の評価額を圧縮するメリットと、②貸地が収益性を損ない売却価額を低くしてしまうデメリットを天秤にかけて財産形成を図ることが必要になります。

2022.07.07更新

民法の現行法では遺産分割の期限がないため、遺産分割されずに長期間放置された、いわゆる「所有者不明土地」が数多く発生する原因にもなっています。

そのため、遺産分割を間接的に促し、このような土地をなくすことを目的として、来年4月に民法が改正されます。

 

改正の内容は、相続開始から10年経過した後にする遺産分割では、原則として具体的相続分の算定の基礎となる「特別受益」や「寄与分」に関する規定が適用されないこととされました。

 

具体的には相続開始から10年を経過してしまうと、次のとおりの遺産分割となります。

 

①相続人全員の合意が得られない場合は、原則として法定相続分・指定相続分での遺産分割によることとなります。

これにより他の相続人が得た贈与が「特別受益」に該当する場合や、被相続人に行った労務等の提供が「寄与分」にあたる場合は、自分の取り分が少なくなってしまいます。

 

②相続人全員が合意した場合は、①によらず10年経過後でも具体的相続分での遺産分割は可能です。

2022.06.28更新

近年、相続登記がされずに放置されている不動産が増加し、所有者が不明の土地や空き家の急増などの社会的な問題の一因となっています。

 

そこで、相続登記を促進する観点から、法務省において法定相続情報証明制度が新設されました。これにより、平成29年5月29日以降は、戸除籍本等の束の代わりに「法定相続情報一覧図」の写しを提出することが可能となり、相続登記の申請手続きが簡素化されました。

 

上記の「法定相続情報一覧図」は、登記所(法務局)に次の書類を提出すれば、同所(局)が相続関係を一覧にした図(下記④)に認証文を付した写しを無料で交付してくれます。 

 

① 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、住民票除票
② 相続人全員の戸籍謄抄本
③ 申出人の氏名、住所を確認することができる公的な書類
④ 被相続人及び相続人の氏名、生年月日、住所、被相続人との続柄を記載した一覧図

 

なお、この制度が制定されるまでは、銀行、証券会社、保険会社などの相続手続きにおいて、戸除籍謄本等の束を各種窓口に何度も出し直すなど、手続きが大変煩雑となっていました。

 

しかし、この制度の発足により「法定相続情報一覧図」を利用することで、戸徐籍謄本等の束を何度も出し直す必要がなくなり、相続手続きに係る相続人や手続きの担当部署双方の負担軽減が実現されました。


                                                                                     (法務局HPより)

2022.06.23更新

普通の、所謂、暦年贈与では、その年の1月1日から12月31日の1年間にもらった財産の合計額から、基礎控除額110万円を差し引いた額に対して贈与税がかかります。もちろん、贈与者が複数の人である場合でも、その合計額に課税されます。

 

ところが、「相続時精算課税制度」では1対1の贈与関係として、祖父母が孫に両親が子にといったように直系尊属から直系卑属に贈与すれば、それぞれ1対1の間で非課税枠の2,500万円が適用できます。

 

また、この場合、年をまたがって何回贈与しても合計額2,500万円までは非課税となります。ただし、「相続時精算課税制度」を適用して贈与された財産は、将来の相続開始時の税額計算の際に相続財産に持ち戻して計算しなければなりません。

 

そうなると、結局は相続対策の効果がないのではないかと思われるかもしれません。しかし、持ち戻して計算する際には「贈与した時の価格」で相続財産として計算されます。となると、「贈与した時の価格」より「相続時の価格」が値上がりしていた場合は、思わぬ節税になることがあります。

 

この様に将来値上がりしそうな財産があれば、今のうちに「相続時精算課税制度」を使って贈与しておくことをお勧めいたします。当然、好業績の自社の株式を子供などに移転すれば活用効果が享受できます。

 

このように、将来の値上がりが高確率で見込める土地や株式、高収益を生む賃貸物件などは、「相続時精算課税制度」を活用して贈与をしておくのも良いかも知れません。

特に、相続税がかからない人であれば、「相続時精算課税制度」を活用すれば、生前の贈与が実質的に無税にできて、収益物件などを生前に贈与しておけば、その収益を相続人に移転できるメリットがあります。

2022.06.06更新

よく似たニュアンスの用語ですが、理解しないで使うことで思わぬ誤解が生じることがあります。

 

「数次相続」とは、ある人が亡くなり「遺産分割」や「相続登記」が終わらないうちに相続人の1人が亡くなってしまい、次の相続が開始された状況、つまり2回以上の相続が立て続けに発生している場合をいいます。

 

一方で、「相次相続」とは、最初の相続(1次相続)が発生して相続税を納めた後に、10年以内に次の相続(2次相続)が始まることをいいます。

 

このように、短期間に相続が発生した場合、相続税の負担額が大きくなり、同じ財産に二重に課税することにもなるため、税務当局は「相次相続控除」という制度を設けて負担軽減を図っています。

 

 

「相次相続控除」とは、被相続人が過去10年以内に相続税を支払った場合に、その金額のうち一定の金額を今回の相続税から差し引くことができる制度です。控除額は、前回の相続(一次相続)と今回の相続(二次相続)との間が短ければ短いほど大きくなります。

 

 

なお、適用要件は次のとおりとなっています。

 

*被相続人の相続人であること
 二次相続の相続人でなければなりません。ただし、遺言書による遺贈で相続した人や、生命保険のみを取得して相続を放棄した人は対象外となります。

 

*10年以内の相続であること
 一次相続から10年以内に発生した二次相続でなければなりません。

 

*一次相続で課税されていること
 一次相続で被相続人が相続税を納めていなければなりません。一次相続で財産を取得していても相続税が非課税だった場合は、控除する金額自体がありませんので対象外となります。

2022.05.27更新

例えば、親が子に1億円の現金を贈与すると約半分は税金となってしまいます。

 

しかし、親が親の土地上に1億円の賃貸物件を建てて賃貸後、その建物だけを子に贈与すれば、固定資産税評価額で贈与税は計算されます。固定資産税評価額は、概ね建築価額の60%で評価されますので4,000万円相当の贈与税の課税価額を圧縮できます。

 

このように現金で贈与する場合と比較してかなりの節税効果があります。

 

なお、贈与後は親が所有する土地上に子に贈与された建物が建っている状況となりますが、この場合、親の相続開始時に土地の評価に大きなリスクが潜んでいることを考慮しておかなければなりません。

 

それは、上記の贈与時の建物の借家人が相続開始時までに変わっていると、土地は貸家建付地とはみなされず更地の評価となり相続税の評価額が上がってしまいます。これを回避するためには、親が贈与する前に不動産管理会社を設立して、その会社に建物を一括貸付した後にその建物を贈与する対策などがあります。

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