企業オーナーの資産承継で、まず優先的に検討しなければならないことは、①会社の経営権確保と安定化、②遺産分割対策です。
会社における支配権を明確化させるためには、少なくとも自社株式の過半数(できれば3分の2)を保有させるように遺産分割をしなければなりません。
しかし、後継者だけに自社株式を承継させると、遺留分の問題が発生する可能性があります。一方で持株比率を切り分けてしまうと、会社の支配権の争いという大きな問題に発展しかねません。
このように遺留分と会社支配権の問題をクリアーできるような遺産分割対策が重要となりますので注意が必要です。物事の順番として、これらの問題に対策を講じた後に、相続対策としての納税資金対策や株式評価減対策(節税)を考慮された方がよろしいかと思われます。