2024.02.15更新

令和6年1月に国税庁は、令和4年分(令和4年12月31日時点)の「国外財産調書」の提出状況を公表しました。

 

「国外財産調書」は、日本国内に居住している方(非永住者の肩を除きます)で、その年の12月31日において、その価額の5,000万円を超える国外財産を有する場合には、その方の住所地等の所轄税務署に提出しなければならないとされています。

 

国税庁の公表の内容によりますと、上記の5,000万円を超える国外財産を所有し「国外財産調書」を提出した総件数は12,494件でした。そして、その総財産額は5兆7,222億円で、その内訳は有価証券が3兆4,569億円(構成比60,4%)、預貯金7,775億円(同13,6%)、建物4,842億円(同8,5%)、以下、貸付金、土地、その他の順となっています。

 

また、国税庁は令和4事務年度(令和4年7月~同5年6月)における所得税及び相続税の実地調査により、「国外財産調書」に関連する調査結果を次のとおり公表しました。

 

① 提出された調書に記載された国外財産に係る所得税・相続税の申告漏れが生じ、加算税を賦課(5%軽減(▲5%))された件数は146件で、その増差所得金額は40億6,433万円でした。
② 調書の提出がない場合、又は提出された調書に記載のない国外財産に係る所得税・相続税の申告漏れが生じたため加算税を賦課(加重(+5%))された件数は329件で、その増差所得金額は119億1,183万円でした。

 

2024.02.05更新

令和5年12月に国税庁より、令和4事務年度における相続税の実地調査の状況が公表されました。

 

それによると、実地調査件数は令和4事務年度(令和4年7月~同5年6月)で8,196件となり、令和3事務年度(令和3年7月~同4年6月)の6,317件と比べ前事務年度比129.7%と増加しました。

 

また、申告漏れ等の非違件数は令和4事務年度で7,063件となり、令和3事務年度の5,532件と比べ前事務年度比127.2%と増加しております。
なお、追徴税額合計は令和4事務年度669億円で令和3事務年度560億円と比べて増加しております。

 

更に、近年、国税庁が申告漏れ財産として、特に、注目している海外資産に係る実地調査件数は、令和4事務年度845件で令和3事務年度660件と比べ前事務年度比128%と増加しました。

 

その結果、海外資産に係る申告漏れ等の非違件数は令和4事務年度で174件となり、令和3事務年度115件と比較して151.3%と大きく増加しました。

 

最後に、実地調査とは別に、文書や電話による連絡又は来署依頼による面接などの簡易な接触も行われています。それによりますと、接触件数は15,004件で、その結果、申告漏れ等の非違件数は3,685件となっております。

2024.02.01更新

令和5年12月に国税庁より公表された令和4年分における全国の被相続人数(死亡者数)は1,569,050人(令和3年分1,439,856人)でした。

 

その内、相続税の申告書の提出に係る被相続人数は150,858人(令和3年分134,275人)で、その課税価格の総額は20兆6,840億円(令和3年分18兆5,774億円)でした。

 

また、申告税額の総額は2兆7,989億円(令和3年分2兆4,421億円)で課税価格・申告税額ともに前年を上回っています。

 

そして、被相続人数のうち相続税を申告した人の割合である課税割合は9.6%(令和3年分9.3%)と、やはり前年を上回っています。

 

ちなみに、各国税局別では、東京国税局管内(東京都・神奈川県・千葉県・山梨県)における課税割合が15.0%(令和3年分14.7%)となっています。

 

※令和3年分は令和3年11月1日から同4年10月31日まで、令和4年分は

令和4年11月1日から同5年10月31日までに提出された申告書(修正申告書を除く。)データに基づいて作成されています。

2023.12.26更新

本年も大変お世話になり有難うございました。

 

TAO相続支援センターは以下の日程で休暇をいただきます。

期間 12月29日(金)から 1月4日(木)まで

 

期間中は大変ご迷惑をおかけ申し上げます。

頂きましたお問合せ等につきましては1月5日(水)より対応させていただきます。

よろしくお願い申し上げます。

2023.12.19更新

令和6年1月1日から暦年課税は相続税の生前贈与加算の年数が原則3年以内から7年以内に延長されます。

 

この改正により、毎年こつこつと110万円の贈与税非課税枠の範囲で妻や子に贈与した財産ですが、これからは相続の発生7年以内の贈与は相続財産に加算(持ち戻し)されます。

 

つまり、110万円を10年間に渡って計1,100万円贈与していた場合、これから、相続が発生すると770万円は持ち戻しされて相続財産となります。したがって、納税者にとっては不利な改正になりました。

 

相続時精算課税制度を選択すると累計2,500万円の非課税枠があり、贈与税は課税されませんが、相続が発生した時に贈与した財産は相続財産に加算(持ち戻し)されます。

 

しかし、令和6年1月1日以降、相続時精算課税制度に「年間110万円の基礎控除」が新たに創されます。

 

相続時精算課税制度に基礎控除が創設されることで、2,500万円の非課税枠とは別に年間110万円の基礎控除の範囲内であれば贈与税はかかりません

しかも相続財産に持ち戻しの対象にもならず、相続財産に加算する必要もありません。

 

ただし、相続時精算課税制度を初めて選択する場合は、贈与が基礎控除以下であっても贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに受贈者の戸籍謄本等を添付した「相続時精算課税選択届出書」を提出する必要があります。

 

この基礎控除の創設により、相続時精算課税制度が使いやすくなりました。しかし、一方で、贈与する金額や期間によっては、暦年課税の方が有利になる場合もあります。
どちらを選択するかの判断は税理士等の専門家に相談されることをお勧め致します。

2023.12.08更新

★前提条件を次の相続内容で試算
*所有財産:3億円
*受贈者 :配偶者と子供2人と孫4人
*遺産分割は法定相続分とし、配偶者控除を適用

 

[ケース1] 何も相続対策をしない場合


*課税財産額    300,000,000円
*基礎控除額    ▲48,000,000円
*課税対象額    252,000,000円
*算出相続税額   配偶者33,400,000円、子11,900,000円×2

          =23,800,000円

*配偶者の税額軽減 ▲33,400,000円  
*納付税額     23,800,000円 → ①

 

「ケース2」 相続対策として配偶者、子2人、孫4人に毎年110万円ずつ10年間贈与した場合


*課税財産額    223,000,000円 (10年間の贈与財産額77,000,000円をマイナス) 
*基礎控除額    ▲48,000,000円
*課税対象額    175,000,000円
*算出相続税額   配偶者19,250,000円、子6,750,000円×2

          =13,500,000円
*配偶者の税額軽減 ▲19,250,000円
*納付税額   13,500,000円 → ②   

①-② 税圧縮効果 10,300,000円

 

課税財産額が大きいほど税圧縮効果も大きくなります。
注)贈与財産の相続財産への加算は考慮していません。

2023.11.17更新

マイホーム(居住用財産)とは、自分若しくは家族が生活の拠点としている家屋やその敷地をいいます。それを売却した場合に、確定申告をすると3,000万円の特別控除の特例(租税特別措置法35条)が受けられますので、税負担はかなり軽くなります。

 

しかし、この特例は次の要件を全てクリアーしないと受けられませんので注意が必要です。


① 国内にあるマイホーム(居住用財産)であること
② 売却先が親子や夫婦、同族会社など特別な間柄にないこと
③ 居住用として使わなくなった日から3年後の12月31日までに売却すること
④ 家屋を解体した場合は、1年以内に譲渡契約を結び、3年後の12月31日までに売却すること
⑤ 家屋の解体の日から譲渡契約の締結日まで、賃貸として使っていないこと
⑥ 売却の年の前年及び前々年に3,000万円の特別控除やその他の特例を受けていないこと

 

なお、この特例は次の家屋に該当する場合は適用されません。判断に迷う場合は専門家に相談されることをお勧めします。

 

① この特例の適用を受けることだけを目的として入居したと認められる家屋
② 仮住まいとして一時的な目的で入居した家屋
③ 別荘などのように主に趣味、娯楽又は保養のために所有する家屋

2023.10.13更新

遺産分割協議において相続人に未成年者がいる場合は、その親権者である父又は母が,その子との間でお互いに利益が相反する行為(これを「利益相反行為」といいます。)をすることとなりますので、子のために特別代理人を選任する請求を家庭裁判所にしなければなりません。(民法826条)

 

また,同一の親権に服する子の間で利益が相反する行為や,未成年後見人と未成年者の間の利益相反行為についても同様です。

 

利益相反行為とは,例えば,父が死亡した場合に,共同相続人である母と未成年の子が行う遺産分割協議で、未成年者とその法定代理人の間で利害関係が衝突する行為のことです。

 

この場合は、母は子の代理行為することはできません。そのため、親権者や利害関係者が、家庭裁判所に対して特別代理人の選任の申し立てを行う必要があります。その結果、母は特別代理人との間で遺産分割協議を行うことになります。

しかし、相続の内容や家庭の事情を知られるため、通常は、親族の方が特別代理人になることが多いようです。

 

ただし、家庭裁判所での特別代理人の選任には1か月程度かかります。相続税の申告は10ヶ月以内ですので、遺産分割協議書作成の時期が相続税の申告期限に関わってまいりますので、早めに申し立ての準備をしておくのが良いでしょう。

 

なお、遺産分割を行わず、法定相続分のとおりに相続する場合は、特別代理人の選任の必要はありません。

2023.09.25更新

「小規模宅地等の特例」は店舗・事務所やアパート、駐車場などの賃貸している土地を相続する場合に適用されます。

賃貸している土地は「貸付事業用宅地等」として特例の適用となりますが、「特定事業用宅地等」や「特定同族会社事業用宅地等」、「特定居住用宅地等」との併用が可能です。

そのために限度面積の調整計算をした後、最も有利に減額されるものから優先して選択することで、節税につながる場合があります。

 

ここでは、「小規模宅地等の特例」における宅地等の利用区分と減額される割合について、解説します。

 

⑴ 被相続人等の事業の用に供されていた宅地等

・貸付事業以外の事業用の宅地等 
特定事業用宅地等に該当する宅地等 限度額 400㎡ 減額割合 80%

・貸付事業用の宅地等
(一定の法人に貸し付けられ、その法人の事業(貸付事業を除く)用の宅地等)
特定同族会社事業用宅地等に該当する宅地等 限度額 400㎡ 減額割合 80%
貸付事業用宅地等に該当する宅地等 限度額 200㎡ 減額割合 50%

(一定の法人に貸し付けられ、その法人の貸付事業用の宅地等)
貸付事業用宅地等に該当する宅地等 限度額 200㎡ 減額割合 50%

(被相続人等の貸付事業用の宅地等)
貸付事業用宅地等に該当する宅地等 限度額 200㎡ 減額割合 50%

 

 

⑵ 被相続人等の居住の用に供されていた宅地等

 特定居住用宅地等に該当する宅地等 限度額 330㎡ 減額割合 80%

 

⑶ 限度面積の調整計算

貸付事業用宅地等(③④⑤)と、それ以外の宅地等(①②⑥)の併用時の限度面積の調整計算は、次のとおりです。
(① +②)×200/400+⑥×200/300+(③+④+⑤)≦200㎡
(原則として無償で貸し付けている宅地等は、貸付事業用宅地等として特例の適用は受けることができません)

 

相続対策として専門性を要する制度ですが、有効に活用すれば大きな節税効果をもたらすことが可能です。活用される場合は、専門家に相談するなどして、特例を最大限に有効活用することをおすすめします。

 

 

 

2023.09.21更新

土地の評価は財産評価基本通達により地目別(宅地・田畑・原野・山林等)に評価すると規定されています。

 

登記上の地目が現況の地目と一致しない場合は、課税時期の現況によって地目を判定します。

 

また、地積においても、登記簿上の地積と実際の地積が一致しないケースがあります。この場合、相続した時の実際の地積によって評価する必要があるとされています。

 

なお、登記簿上の地積と実際の地積が大きく乖離している場合は、実測の必要があります。しかし、必ず実測が求められているわけではなく、亡くなった方が取得した時の資料等を参考にして評価をしても良いと理解されています。

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