2021.08.12更新

平成18年度改正によって、金銭での納付が困難な場合、その事由を基に計算することによって、物納することが可能な金額(物納許可限度額)が明確化されました。

 

具体的には、納付すべき相続税額から金銭納付が可能な金額と延納可能な金額を控除して物納申請をすることとなります。従って、この制度に対応するには相続発生前から相続財産や債務、相続税額及び自己の金融資産などを全て把握し、遺産分割案を作成して物納申請ができるかどうか検討しておくことが肝要です。

 

相続発生前から関係書類の整備を進め、特に、土地の測量についてはいわゆる確定測量が必要で、建物の名義確認や物納申請予定地への越境物や工作物の有無確認までしておく必要があります。この手続きをスムーズに行うには、相続が発生したら速やかに遺産分割を確定させなければなりません。

2021.07.29更新

国税庁は令和3年7月1日、相続時の土地の評価基準となる「路線価」を公表しました。

 

この令和3年分の「路線価」を、令和3年1月1日から令和3年12月31日までの間に、相続により取得した財産を評価する場合に適用することとなります。

 

従って、令和3年1月1日から令和3年分の「路線価」が公表された令和3年7月1日までに相続が発生した方は、今回公表された「路線価」で評価を行い、申告や納税の手続きを行うこととなります。

 

相続税の申告は、被相続人が死亡したことを知った日(相続開始日)の翌日から10ヶ月以内に行うことになっていますが、財産評価を行うに当たっては、申告期限までの時間を配慮することが必要なケースも当然ある訳です。

 

2021.07.19更新

戸籍は戸籍法第10条に定められた次の1~4に該当する人が請求することができます。

 

1. 戸籍に記載されている本人、又はその配偶者、その直系尊属(父母、祖父母等)若しくは直系卑属(子、孫等)

2. 自己の権利の行使または義務の履行のために必要な場合

3. 国または地方公共団体の機関に提出する必要がある場合

4. その他戸籍に記載された事項を利用する正当な理由がある場合

相続手続きのために必要な場合は、上記2.の自己の権利の行使または義務の履行のために必要な場合に該当します。相続人であることが分かる戸籍や本人確認書類を提示し、戸籍が必要な理由、使用目的や提出先等を市町村役場に伝えることで、戸籍を請求することができます。

 

弁護士、司法書士、行政書士、税理士等の専門職は、「職務上請求書」で交付請求をすることができますので、ご自身で戸籍を請求するのが難しい場合は、専門家に相談されることをおすすめします。

 

2021.07.06更新

拠出型医療法人は出資ではなく、「拠出」ですので、出資持分の概念はなく、解散時の残余財産は、国や地方公共団体等に帰属します。 このような医療法人を「拠出型医療法人」といい、その中でも基金制度を採用した医療法人を「基金拠出型医療法人」といいます。

拠出された金銭やその他の財産を返還してもらうには、基金制度を採用した基金拠出型医療法人を創設します。基金とは医療法人が返還義務を負うものをいいます。

 

経過措置型医療法人が拠出型医療法人へ移行する際には、相続税法で、相続税または贈与税の負担が不当に減少する結果になると認められる場合は、その「持分の定めのない法人」を個人とみなして、これに贈与税を課すとしています。

 

以下の要件を充足する場合は、持分の放棄により出資者の親族等の相続税又は贈与税の負担が不当に減少する結果になると認められず、拠出型医療法人に対し贈与税は課税されません。

 

①運営組織が適正であること

②同一親族等が役員等の総数の3分の1以下であること

③法人関係者に対する特別の利益提供がないこと

④残余財産の帰属先を国、地方公共団体、公益法人等に限定していること

⑤法令違反等公益に反する事実がないこと

2021.07.01更新

将来値上がりすることが確実な資産の贈与にも活用できます。

ただし、値上がり確実と言える資産をみつけることは、通常は困難でしょう。しかし、オーナー経営者の保有する非上場株式は、それに該当するケースが大いにあり得ます。

 

例えば、先代経営者に多額の役員退職金を支払ったタイミングです。役員退職金の支給により株価は大幅な値下がりが予想されます。一時的な値下がりは、本業の業績次第ですが、近い将来元の株価に戻ることが予想されます。

 

そこで、役員報酬金の支給で株価が大幅に下がったタイミングで、相続時精算課税を選択して贈与を行います。確かに、先代経営者の相続時には、贈与した株式は相続財産に加算されますが、その加算する際の株価は贈与時の株価となります。

 

オーナー経営者の保有する株式は多額になりがちですので、うまく活用すれば期待できる節税効果が見込めるでしょう。

2021.06.29更新

相続時精算課税は、60歳以上の父母または祖父母から、20歳以上の子又は孫への贈与について選択できる贈与税の制度です。選択した年から2,500万円(特別控除額)の贈与までは贈与税がかかりません。

 

特別控除額を使い切ると、超えた金額について一律20%の贈与税がかかります。特別控除額の大きさと、超えた金額について一律20%の税率であるため、有利な制度に思えます。

 

但し、制度名から想像できるとおり、相続時に精算する必要があります。贈与時の価額ですべて相続財産に加算して相続税の計算をします。

 

相続時精算課税活用の節税効果の大きい事例として、安定的にキャッシュを生み出す資産の贈与に活用するケースがあります。

 

賃貸建物の優良物件は、建築時は現金よりも評価額が低いため相続税の節税になります。しかし、長く保有すればするほど、手元の現金が増加するため、ある時点からは節税効果がなくなってしまいます。

 

そこで、相続時精算課税を選択して、賃貸物件を子や孫に贈与すれば、贈与後の賃貸収入は子や孫のものですから、相続税の課税対象外です。2,500万円の特別控除を超えて20%の贈与税課税がなされても、最終的には相続税から控除することができるため、優良な賃貸物件を所有する土地持ちの資産家には検討に値する制度といえます。

2021.06.24更新

都市農家の地主さんが相続対策を検討する際に、考えておくべき対策は、一般的な相続対策の3原則(①遺産分割対策②節税対策③納税資金対策)に加えて、④守り続けていく土地を明確にしておくこと⑤不動産の有効活用による収入アップを考えた対策が必要とされます。

 

所有する土地の棚卸しを行い、自宅・田畑など代々守っていくべき土地、有効活用で稼いでくれる土地、処分しても良い土地・組み替えても良い土地などに分類して、守り続けていく土地を明確にしておくことが必要となります。また、土地の収益性を考えることが重要です。利回りが良い収益物件を持つことや法人の活用等で、2代3代に亘りより多くの財産を残すことができる様な仕組みづくりをしておくことが大事です。

2021.06.08更新

相続する財産に土地を借りて建てた建物があった場合は、建物と土地の借地権を併せて相続することになります。
この場合は、土地の所有者からの承諾はいただく必要はありませんが、土地の借地権を相続したことを通知したうえで、賃借人変更を確認する書面を取り交わすことが宜しいでしょう。

 

借地権を主張するためには登記をすることもできますが、借地上の建物を登記することで第三者に借地権の権利を主張できますので、一般的には借地権自体の登記をすることは稀です。

 

なお、稀ではありますが、登記されている借地権を相続した場合には、建物と同様に名義変更手続きを行わなければなりません。


また、借地権は相続税の課税対象財産となり、税務上では借地権を普通借地権と定期借地権に区分してそれぞれ価値判断を定めております。

 

そして借地権以外の相続財産と合算して一定の非課税額枠(基礎控除額)を超えるような場合には、税務署に相続税の申告をしなければならない場合があることに注意が必要です。


このように、借地権の相続についてはいくつもの手続等がありますので、相続が発生する前からの準備をお奨めします。

2021.05.20更新

2021年4月21日、所有者不明の土地問題を解決するため民法など関連法の改正案が参院本会議で可決、成立しました。2024年を目途に、これまで任意だった相続と住所変更の登記申請を義務化します。

 

相続登記は土地の取得を知ってから3年以内、住所変更登記は2年以内にしなければならなくなります。違反すれば相続登記は10万円以下、住所変更登記は5万円以下の過料も設けられる予定です。

 

国土交通省の2017年の調査によると、全国の土地の20%で所有者が分からなく、公共事業、地震や豪雨などの災害からの復旧や土地取引の妨げになっています。分からない理由は、相続登記の不備が66%、住所を変更していない例が34%を占めています(日経新聞記事より)。

 

現時点でまだ相続登記が行われていない不動産があれば今のうちに相続登記をするか検討しておく必要がありそうです。

2021.04.30更新

1.法人化の方法

 

① 個人が所有する不動産を法人へ売却する方法

・個人は売却代金(現金)が得られる

・法人は資金を準備する必要がある

 

② 個人が所有する不動産を法人へ現物出資する方法

・法人は不動産の所有者へ株式を発行する(次世代へ資産が移転するわけではない)
・譲渡所得税の負担が課題となる

 

 

2.資産管理会社の設立(法人化)の課題

 

① 個人所有の不動産を法人に売却する場合は時価で行う必要がある。そこで時価と帳簿価額に差額があれば譲渡所得が発生するので、建物は簿価にて売却して土地については売却せず借地権の設定を行う等の工夫が必要です。

 

② 会社に対して不動産を贈与すると個人は時価で売却したものとみなされるので譲渡所得が発生し、法人側では受贈益が発生する。

 

③ 現物出資でもいったん時価で売却してその金額を出資したと考えるので、個人は譲渡所得が発生する。

 

④ 資産移転時の評価について、土地の時価算定には公示価格、路線価、固定資産税評価額、不動産鑑定士の鑑定評価等、さまざまな方法がある。なお、土地以外の資産については、簿価で行うことが一般的である。

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